死後の世界の探求から臨死体験報告の研究へ!/あのときのムー

文=こざきゆう

80年代の大霊界ブームを受けて

臨死体験とは、近似死(死に限りなく近づいた)状態から生還した人の多くが、生と死の狭間で垣間見る不思議な意識体験をいう。概要については「ムー語教室」第15回「臨死体験」も併せて参照してほしい。

死に際したときの脳のはたらきが見せた幻覚のようなもの、との説もあるが、はたして死後の世界は、臨死体験者が見たように実在するのか、たんなる脳内現象なのか?

証明困難な永遠の謎ともいえる疑問に、「ムー」ではこれまで果敢に挑んできた。

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「ムー」1980年3月号より。

その先駆けとなる記事が、1980年3月号の特別企画「死後の世界は実在する!?」である。

臨死体験の科学的な研究が注目を集めたのは1975年のこと。アメリカの医学博士レイモンド・ムーディが150の臨死体験事例を分析した『かいまみた死後の世界』に始まる。

その5年後に制作されたこの記事では、ムーディ博士の研究を紹介し、さらに、「死後の世界を科学する!」と題し、脳の構造から科学的に死後世界体験にせまるほか、「死後の世界は虚数空間だ!」として、「実数世界=日常世界、虚数世界は霊界」と、かなり難解ながら数学的な解釈も試みている。

ちなみに当時の「ムー」は中学生向けの雑誌だったことも考慮すれば、かなり大胆な挑戦だったともいえるだろう。

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「ムー」1983年5月号より。

また、読者の関心の高いテーマであるとともに、1980年代は俳優・丹波哲郎氏による「大霊界」ブームがあった。そこで、「ムー」でも1983年5月号「丹波哲郎 死後の世界を見る」をはじめ、当時、話題となった映画『大霊界』が公開された1989年には2月号で「大霊界〔死後生存の証明〕」など、何度となく「死後の世界」が特集された。

ただし、そのころは「ムー」の記事タイトルに「臨死体験」という言葉は使われていない。初めて「臨死体験」が記事タイトルに使われたのは、1998年5月号の「ミステリー基礎講座/第29回 臨死体験」から。これは、1990年代前半にジャーナリスト・立花隆氏の『臨死体験』がベストセラーになったことなどから、言葉そのものの認知度が上がったことが要因と思われる。

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「ムー」2001年11月号より。

以後、「ムー」では「臨死体験」について、死後の世界という視点以外にもさまざまな角度から光を当てていく。

とくに注目したいのが、2001年11月号の総力特集「臨死体験と未来の記憶」だ。記事では、臨死体験者の証言の中に“未来の出来事”としか思えないものが多数含まれていることに注目。臨死体験は死後の世界を覗き見ただけの現象ではなく、意識が過去、そして未来と時空を飛び越えたものだと考察したのだ。

臨死体験者による予言やタイムトラベルとの関連を指摘する視点は、その後も大型特集のテーマとなり、2017年2月号の総力特集「臨死体験が明かす宇宙の秘密」へと結実していくのだ。

文=こざきゆう

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