日本史上最強の陰陽師・安倍晴明 /超能力大全

編=オカルト雑学探究倶楽部

他者の式神を消す

映画に、漫画に、小説に……自在に陰陽道の術を駆使する陰陽師・安倍晴明(あべのせいめい)。日本史の呪術師史上においても、トップクラスの超能力者だ。なにしろ彼は、数ある陰陽道の占術・呪術・祭祀儀礼そのすべてにおいて、達人の域に達していたといわれているから尋常ではない。

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安倍晴明像。

 

そのなかでもよく知られているのが、式神(しきがみ)だろう。これは陰陽師が意のままに操る鬼神のことだが、超能力でいえば念力、あるいはポルターガイスト現象を起こしていたというところかもしれない。

こんな話がある。

あるとき晴明の家に、ふたりの童子を連れた老僧が「陰陽の道を学びたい」といって訪ねてきた。しかし晴明はすぐに、「この男は腕試しにきたのだな」と悟った。と同時にふたりの童子は人間ではなく、老僧が操る式神だと見破り、ひそかに呪文を唱えて消してしまったのだ。

あわてた老僧はすぐに自分の敗北を悟り、こう晴明に詫びたという。

「式神を使うのはたやすいことです。しかし、人の式神を消すことはむずかしい。私にはとうていできません」

事実なら、晴明は相手の念力を打ち消してしまうほど強い力の持ち主だったわけだ。

またあるときは、内裏に向かう少将に一羽の烏が糞をかけたのを見て、少将に呪いがかけられていることを見抜いている。烏は陰陽師が放った式神だったのだ。

そこで晴明が少将の体を抱きかかえて呪文を唱えると、少将は息を吹き返す。それからしばらくすると、さる陰陽師の使いの者がやってきて、こう告げた。

「私の主人が先ほど、式神を使って少将殿を殺そうとしたのですが、どういうわけか式神が戻ってきて、主人は式神に打たれて死んでしまいました……」

聞けば、少将の妻の姉妹が妬みから陰陽師を雇い、呪術で少将を殺そうとしたのだという。だが、そこにたまたま晴明がいたことで、呪術の力比べとなってしまった。もちろん晴明のほうがはるかに力が強かったので、陰陽師は自らの式神の呪いで命を落としてしまったのだ。

 

幼いころから片鱗が

まさにすさまじい超能力だが、晴明の陰陽師としての力は、すでに子どものころから芽生えていたようだ。

たとえば晴明は幼いころから鳥のさえずりを聞いて、彼らが話している「内容」を理解することができたというのである。

あるとき鳥たちが、天皇の病気の原因は寝殿の鬼門(北東)にある柱の礎の下で、蛇と蛙が戦っているせいだと噂話をしていた。それを耳にした晴明は、すぐに天皇に奏上。調べてみると確かに礎の下には蛇と蛙がいた。それを取り除いたところ、天皇の病気はたちまち快方へ向かったのである。

また、晴明が、陰陽師の大家である賀茂忠行・保憲父子に師事したということはよく知られている。その忠行のもとで修行中、供として下京あたりにやってきたときのことだ。晴明は前方からやってくる鬼=物の怪たちの行列にいちはやく気づき、忠行に知らせた。

もちろん、物の怪の姿など、常人に見えるものではない。忠行はこれをきっかけに晴明の尋常ならざる陰陽師としての素質に気づき、自分のもつ術のすべてを教えこむ決意をしたというのである。

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蘆屋道満(右)晴明(左)。

 

また、あるときは陰陽道の奥義をきわめるために、中国の伯道(はくどう)上人に弟子入りし、3年3か月、修行をする。ところが帰国後、同じ陰陽師の蘆屋道満(あしやどうまん)との論争に敗れ、首を切り落とされて死んでしまうのだ。

そのとき、弟子である晴明の凶事を感じた伯道上人はすぐに日本にやってきて、埋葬されていた12の骨と360の小骨を集め、「生命続命の法」を執り行い、晴明を生き返らせる。

こうして晴明は、道満にリベンジするというわけだが、死後に生き返るとは、いかに晴明のエネルギーが強かったのかを物語るものといえるだろう。

 

(「決定版 超能力大全」より掲載)

編=オカルト雑学探究倶楽部

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