月面の地震が示す内部構造の謎/月の都市伝説

文=並木伸一郎

月は、まるで鐘である

月の観測において、人類が月へと降りたってから半世紀が過ぎようとしている今日でも、いまだその手がかりすら解明できない謎がある。

それは月の地震である。

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月震計の設置を終え、着陸船に向かうアポロ11号のオルドリン宇宙飛行士。

 

月には多くの震度計が設置されており、常にデータを地球へと送りつづけている。そのデータによると、月はほんの少しの衝撃でも、月の表面を振動させるという不思議な天体だということがわかっている。

なんとアポロ11号の宇宙飛行士アームストロングがはしごに登った振動さえも、月面をわずかに振るわせたほど、月は敏感な星なのである。ひとたび衝撃が起きれば、その震動は数十分から数時間は止まらない。12世紀ごろに月に衝突したとみられる巨大隕石の衝撃は、800年以上経った現在でも、月を振るわせているというのだ。

「月はまるで鐘である」

これは多くの研究者が語る言葉だ。

衝撃を与えると、鐘のように鳴り響きなかなか収まらない。月はもしかして、空洞なのではないか、という想像してしまうほどに、月は鐘のように震動を伝え続けるのだ。

月の振動が、なぜ、これほどまで長く続くのかについて、いくつかの仮説がある。地殻が不均質なため裂け目が多く地震波が散乱しやすいのではないか、月面が乾燥しているので震動を吸収する物質が存在しないためではないか、と議論されてきたが、どれも確証はない。

月の地震は衝突の震動以外にも内部から起きる地震、「月震」もある。とはいえ極小規模な震動が年に数回ある程度なのだが、その震源については地球の常識とはかけ離れている。月震のほとんどは浅い地層で起きているのだが、中には地下600~900メートル地点で起きているものもある。月の半径が1700キロメートルあまりなので、相当深い場所で地震が発生しているということになる。

月の内部は、われわれの知らない未知の構造物でできているのだろうか。

 

(「ムー認定 月の都市伝説」より掲載)

文=並木伸一郎

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