週刊ムー語教室/自動車時代以前に遡る「幽霊タクシー」事件史

文=こざきゆう

世界の「消える乗客」怪談

知っているようで知らない〝ムー的用語=ムー語〟をわかりやすく解説する、「ムー語教室」。今回は、世界各地で報告される「幽霊タクシー」事件をご紹介します。

 

第61回:「幽霊タクシー」

  1. 1:タクシーの運転手が伝える「消えた乗客」の怪談
  2. 2:世界中で報告があり、東日本大震災の現場でも証言がある。
  3. 3:不慮の死を遂げた人など、幽霊のしわざだと考えられる。

深夜のタクシーに顔色の悪い女性が乗り込み、運転手に行き先を告げる……目的地に着くと、乗っていたはずの女性の姿はなく、シートが濡れていた――。そんな怪談をあなたも聞いたことがあるのではないでしょうか。いわゆる「幽霊ヒッチハイカー」と呼ばれるこの話は、世界各地で語り継がれている都市伝説の典型のひとつです。

近年では東日本大震災後から頻繁に報告されるようになった被災地の幽霊ヒッチハイカーの例があり、古くはアメリカでもっとも“復活(リサレクション)メアリー”が有名です。(「ムー」2017年3月号参照)

そこで、今回の「ムー語教室」では、ほかの国の幽霊ヒッチハイカーに目を向けてみることにしましょう。

まずはイギリスから。幽霊目撃報告が世界でもっとも多いとされる国だけあって、幽霊ヒッチハイカーの報告も大変な数にのぼります。

monkghost19981たとえば、グロスターシャーの「B-4068号線」。この道路は名うての幽霊街道として知られています。1998年、麻酔医がこの街道を車で走行中、道端で手を振る女の姿を目撃しました。しかし、麻酔医が車を止めようとしたわずかの間に、女性の姿は消えてしまったのです。さらに不思議なことには、車内にだけ、木を燃やしたときのような煙の臭いが漂っていたといいます。2004年には同じ場所を車で走っていた警備員の前に、修道士が出現。警備員はあわててブレーキを踏みましたが、その瞬間、修道士は姿を消したということです。

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ケント州メイドストーン近郊ブルーベル・ヒルのA229号線も、幽霊ヒッチハイカーの遭遇が後を絶ちません。

2008年、アメリカからの旅行者ふたりが、レンタカーで夜中にこの道を走行中、若い女性ヒッチハイカーを目撃。旅行者たちはそのまま素通りしようとしたところ、あろうことか女性は車の前に飛び出したのです!

急ブレーキも間に合わず、車は女性を轢いてしまいました。「とんでもないことになった」と車から外に飛び出した旅行者たちでしたが……辺りには女性の姿はありません。彼らはすぐに警察署に事件を報告しましたが、警官立ち会いのもと現場を確認すると、路上にブレーキ痕が残されているだけ。

不思議に思う旅行者たちに、警官は「またか……」といいました。というのも、この警察署では同様の通報を何度も受けていたのです。なかには、幽霊に驚いた運転手がハンドルを切りそこねて事故を起こしたこともあったといいます。

所変わってポルトガルでは、幽霊ヒッチハイカー報告を巡り、あまり例のない騒ぎがありました。発端は2007年5月。シントラ市郊外の4号線をカップルがドライブ中、車の前に突然、少女が飛び出してきました。急ブレーキをかけた車はスピンをし、灌木の茂みに激突。幸いカップルに怪我はなく、すぐに事故を通報、警官が現場に駆けつけましたが、少女の姿はどこにもありませんでした。

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その30分後には、やはり4号線で若者3人が乗った車が道路フェンスにぶつかって、軽症を負う事故が起きました。警官が事情を聞くと、4号線沿いに少女ヒッチハイカーが立っていたので、若者らは不審に思いながらも車に乗せたといいます。そして、走行中に車中で少女が「あの場所で、私、事故死したの……」と告げ、その瞬間、その姿が消失! 驚愕した若者たちは、ハンドルを切りそこね、事故にあったということでした。

この幽霊少女と遭遇したという報告は、ほかにも複数寄せられていただけでなく、同年7月、少女の幽霊ヒッチハイカーの映像が動画投稿サイトで公開されたのです。映像はシントラで事故を起こした車の中から発見されたものとされ、その真偽を含めてシントラでは大きな話題となりました。

ところで、幽霊ヒッチハイカー出現多発エリアには、多くの場合、過去に事故で亡くなった人がいます。たとえば、イギリスのケント州A229号線であれば1965年に結婚式に向かう花嫁が事故死していたり、ポルトガルのシントラ・4号線では1983年に10代の少女が自動車事故死しています。どちらの事故で亡くなった人も、目撃された幽霊ヒッチハイカーと容姿がそっくりだと証言されています。

幽霊ヒッチハイカーの正体、それはやはり、不慮の事故で亡くなった人の霊なのかもしれません。

文=こざきゆう

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