神秘学の奥義を著した女傑マダム・ブラヴァツキー/世界の超人

文=並木伸一郎

神智学を確立した霊性の巨人

19世紀最大の神秘思想家といわれるヘレナ・ペトローヴナ・ブラヴァツキー(通称=マダム・ブラヴァツキー)の人生は、生を受けたときに運命づけられていた。

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ヘレナ・ペトローヴナ・ブラヴァツキー(Helena Petrovna Blavatsky、1831~1891年)。ロシア統治下のウクライナ出身。

 

ヘレナが生まれたのは1831年8月11日。ロシア暦で7月31日にあたるこの日に生まれた者は、霊能力者になるという。そのいい伝えどおり、幼いヘレナは〝目に見えない〞友達と遊び、霊と交遊し、精霊や賢者の存在を語っていた。

17歳なった彼女は、20歳以上も年の離れた軍政長官と結婚するも、わずか数週間後に出奔。そのまま世界を放浪する生活を選ぶ。その道中、エジプトではコプト人の魔術師に教えを受け、フランスでは催眠術者のもとで水晶占いや霊体離脱を学んだ。

そして1851年8月、ロンドン滞在中のヘレナは大きな転機を迎える。それまで幾度となくヴィジョンに現れていた自らの守護者、大師クート・フーミが目の前に現れたのだ。この出会いによって自らの使命を知ったヘレナは、チベットなどで修業を重ね、霊能力者としてさらに高みを歩んでいく。

やがて、大師の指示によりに渡米した彼女は、この地で生涯の盟友ヘンリー・オルコットに出会う。ふたりはアメリカのスピリチュアル運動に参加し、2年後には「神智学協会」を設立。その類い稀なるカリスマ性で心霊主義者の寵児となる。周囲から数々の中傷にさらされながらも神智学の啓蒙に没頭した彼女は、1891年5月、その生涯を終えた。

古今東西の叡智を結集し、霊的法則の開示を目指したヘレナは、著書『秘密教義(シークレット・ドクトリン)』を残した。同書には、過去も未来も含めた全人類の記憶の倉庫「アカシックレコード」の存在が提唱されている。だが、彼女をして「本当に理解されるまでに、100年かかる」というほど、内容は難解であるのだが……。

同書の刊行は1888年。すでに100年以上たった今も、人類はその教義を理解できないままでいる。

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ヘンリー・スティール・オルコット(右)らとともに、神智学協会を設立した。

 

(「ムー認定 世界の超人・怪人・奇人」より掲載)

文=並木伸一郎

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