享楽の妖術師 アレイスター・クロウリー /世界の超人・怪人・奇人

文=並木伸一郎

アレイスター・クロウリー 享楽の妖術師

「世界最悪の変人」「堕落の魔王」「食人鬼」――。過激な活動でマスコミからも非難にさらされた魔術師アレイスター・クロウリー。古今東西の魔術師を自称した者で、彼
ほど悪名高い人物はいない。

 

アレイスター・ クロウリー(Aleister Crowley、1857~ 1947年)。イギリス 出身。
アレイスター・クロウリー(Aleister Crowley、1857~1947年)。  イギリス出身。

 

イングランドのウォリックシャー州でエクスクルーシブ・ブレザレン(英国教会から分離したカルヴァン主義の一派)の両親から生まれたクロウリーは、同派の寄宿学校に入学させられる。しかし、厳格すぎるキリスト教教育が彼のなかに嫌悪にも似た感情を生み、オカルティズムへと傾倒させるきっかけとなった。
厳しかった父親が他界し、莫大な遺産を相続すると、クロウリーの奔放な活動に邁進するようになる。やがて、ケンブリッジ大学に進学すると、魔術結社「黄金の夜明け団」
に入団。魔術研究の世界に接触する。指導者的立場にあったマグレガー・メイザースから学ぶ教義を通して、神秘世界に開眼した。
団内の派閥争いに失望して脱退した後も、クロウリーは世界各国を転々とし、東洋の神秘思想を学び、独自の魔術研究を深めていった。クロウリーはその特異な魔術的体系を著作『法の書』で公表する。同書によって魔術師として名が知られるようなった彼は、自らの研究を進化させるべく、1920年、シチリアにテレマ僧院を設立する。
だが、ここで麻薬や性魔術を応用した悪魔的な儀式を繰り返し、厳しいバッシングにあう。ついには、ある男性信者がネコの血を飲んで感染死したことから、国外退去を命
じられてしまう。一連のスキャンダルはイングランドにも伝わり、彼は母国に立ち入ることも許されなかった。
以後、流転の人生を送らざるをえなかったクロウリーは、72歳でその生涯を終えている。魔術師エリファス・レヴィの生まれ変わりを自称していたクロウリーだが、その実績は遠く及ばなかった。だが、悪評であったとしても、クロウリーの名は広く世間に名を知られ、歴史と記憶に深く刻まれている。

 

クロウリーがエジプトで出会った守護天使エイワス。『法の書』はエイワスがクロウリーの妻の口を介して教えた魔術体系を記したもの。

 

 

(「世界の超人・怪人・奇人」より掲載)

文=並木伸一郎

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