黄金の夜明け団の指導者 マグレガー・メイザース /世界の超人・怪人・奇人

文=並木伸一郎

マグレガー・メイザース 黄金の夜明け団の指導者

 

大英博物館の「ソロモンの名を冠する七種類の断章」を再編・英訳した『ソロモンの大いなる鍵』を発行し、パリのアルスナル図書館に眠っていた『術士アブラメリンの聖な
る魔術の書』を英訳したマグレガー・メイザース。西洋魔術の体系化と復興に寄与した彼は、イギリスの隠秘学結社「黄金の夜明け団」の創設メンバーでもあり、近代魔術結
社の源流を作ったひとりである。

 

黄金の夜明け団の儀式服をま とったメイザース。
黄金の夜明け団の儀式服をまとったメイザース。

 

1854年、ロンドンに生まれたメイザースは早くに父を亡くしている。質素な暮らしにあっても、彼は旺盛な探究心をもって幅広い知識を獲得し、オカルティズムに魅了され
るようになる。1877年には当時住んでいたボーンマスでフリーメーソンに入会し、本格的に隠秘学の研究を開始する。カバラ文献『ゾーハル』の翻訳を手がけるなど、イギリ
ス魔術界でその名を広めていく。

 

彼は英国薔薇十字協会にも入会しており、そこで出会ったウィリアム・ウィン・ウェスコットとウッドマンとともに、新たな隠秘学結社「黄金の夜明け団」を結成する。『ソロモンの大いなる鍵』を公刊したのも、このころだ。この組織は人間よりも高次元の存在「真の首領」からの指示のもとに活動を行っていた。最初にその存在と接触できたウェスコットが、接触を打ち切ったことで、入れ替わるようにメイザースが接触に成功する。これにより結社のトップに立ったメイザースは位階制の整備や実践的な魔術を導入するなど、のちの魔術結社に受け継がれるシステムを構築した。

 

だが、彼の独善的な姿勢が反感を呼び、結社は分裂。メイザースは組織を追放されてしまう。すぐに、新たな魔術結社「A∴O∴」を結成したものの、大きな成果を得るこ
とはできなかったようだ。1904年には、アレイスター・クロウリーと盗用問題で法廷闘争を繰り広げ、魔術研究家の本分から逸脱したところで注目を集めることになる。1918年にはインフルエンザが原因で64年の生涯を終えた。

 

黄金の夜明け団が掲げた薔薇十字。ヘルメス思想、錬金術、カバラなどを融合させたシンボル。
黄金の夜明け団が掲げた薔薇十字。ヘルメス思想、錬金術、カバラなどを融合させたシンボル。

 

(「世界の超人・怪人・奇人」より掲載)

文=並木伸一郎

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