ネス湖の怪物「ネッシー」の多面的検証/あのときのムー

文=こざきゆう

巨大ウナギの可能性!

イギリス、スコットランドのネス湖に潜むといわれる謎の水棲獣ネッシー。未確認生物の王者とも称される、代表的なUMAだ。

今から1500年近く前の文献にその目撃が記録されたことに始まり、ネス湖に国道が開通した1933年以降は観光客の増加にともなって、目撃報告数が激増。ネッシーの姿を捉えた写真や映像も相次いで撮影され、瞬く間に世界に知られる存在となった。また、実在の信憑性の高さから、ネス湖底の大規模な科学調査が数回行われたほか、定点観測カメラでの湖の記録も継続中だ(ネッシーの基礎情報については、「UMAの基礎知識! ネス湖のネッシー」も参照)。

そのネッシーが「ムー」本誌で大々的に取り上げられた最初は、1982年4月号。「超科学最前線をさぐる」と題された連載の11回目「〝ネッシー学〟はここまで進んだ」である。

mu198204nessie

記事では、ネッシーについて科学的なアプローチで研究し、学問的な体裁を整えたアメリカの生物学者ロイ・マッカルの分析が詳細に綴られている。その結果、ネッシーの正体はいわゆるプレシオサウルスの生き残りより、大型両生類もしくは巨大ウナギの可能性が高いと述べられている。

ちなみに、この記事の執筆者は、現在も本誌で健筆を揮う超常現象研究家、南山宏氏だ。

南山氏は「UMA」という言葉の考案者でもあるが、まだ当時は「怪獣」という表現が使われている(南山氏の記憶では、UMAという造語の考案は1976年ごろのことだが、一般的な言葉ではなかったことが、ここからわかる)。

続く「ムー」でのネッシー特集は10年以上経った1992年12月号の総力特集「巨大水棲獣ネッシー現る!!」だ。

mu199212nessie

その年の夏、ネッシーの目撃事件が報告されたと同時に、湖面をのたうち回るネッシーの鮮明な姿がビデオ撮影された。この映像はイギリスのニュース番組みならず、アメリカのCNNによって全世界に流され、もちろん日本でも放映されたので、記憶にある読者もいるかもしれない。

それを受け、本誌で長年メイン・ライターを担う超常現象研究家、並木伸一郎氏が現地取材を敢行。ネッシー映像撮影者のA氏(匿名)にインタビューを行った。また、これまで報告されてきたネス湖の環境データや、ネッシーの目撃、研究資料を整理し、「(ネス湖は)太古の生物が生息する可能性は十分ある」との結論を出した。

「ムー」がもつ膨大なネッシーのデータを集約させた、まさに総力をあげての決定版的な特集となった。

また、ネッシーの正体をめぐっては、1997年9月号で「大激論!! 怪獣ネッシーの正体は何か?」と題する特集が組まれた。

mu199709nessie

南山宏氏、飛鳥昭雄氏ら4人の識者が、それぞれ「大型両生類説」「ターリーモンスター説」「大型哺乳類説」「未知動物説」を提唱し、それぞれの見地からの仮説を展開した。ネッシーはその情報量がほかのUMAに比べ、数多いにもかかわらず、4人の識者それぞれに見解が異なる点や、それぞれの説に納得できる面白さがある。そこがネッシーを「UMAの中のUMA」たらしめる魅力なのだろう。

以後は、時おりネス湖から報告されるネッシーの目撃写真や、ネッシーの牙と思しきものが見つかった、などのニュースが扱われることが増え、その都度、その実在の可能性や正体を考察している。しかし、大規模調査や衝撃的な報告がないのが現状だ。

いずれ、またわれわれを驚愕させる情報が飛び込んでくることを期待したい。

文=こざきゆう

  • 1

この記事と同じトピックを探す

関連記事

編集部おすすめ

アクセスランキング

  • デイリー
  • ウィークリー
  • トータル