サッカラの階段ピラミッド/ムー的古代遺跡

文=並木伸一郎

サッカラの階段ピラミッド

 

古代エジプト王国時代の首都メンフィスには記録上で最古のピラミッドがある。それがジェゼル王のピラミッドだ。形状から階段ピラミッドと呼ばれている。

 

紀元前2650年ごろ、ナイル川の恩恵をうけ繁栄した古代エジプトの首都メンフィスでは、第3王朝のファラオ、ジェゼル王の墓が建設された。これは世界史上初のピラミッドである。高さ62メートル、東西125メートル、南北109メートルと巨大な長方形型をしており、地下28メートルの地下室も設けられている。王の遺体を納めた玄室などいくつもの部屋や回廊が作られていて、その建築技術の高さには驚きを隠せない。この階段ピラミッドが、エジプトのピラミッド技術の楚となった。

 

階段ピラミッドには、切り出した石材が使われている。当時、建造物には日干しレンガを使うのが常識だったため、かなり画期的な手法であった。石材を使うことで、頑丈で高さのある建築が可能となったのだ。これはイムホテプという謎の人物による指揮である。

 

イムホテプは建築、設計、土木、医術などの分野で天才的な力を発揮したといわれるジェゼル王の宰相である。王族出身ではなかったイムホテプが、なぜファラオの側近になれたのかはわかっていない。彼は当時の文明を遙かに超えた知識と知恵を持っていたようだ。そしてまた、ときには“魔術師”と呼ばれ、超常的な能力を発揮した。イムホテプの出身はメソポタミアであり、古代シュメール文明の“知恵=叡智”に通じていたとも考えられる。

 

この地に100以上も建設されたピラミッドだが、このピラミッド群がなぜ建設されたのか。ピラミッド自体も、いかなる目的で作られたのか、など解明されていない部分が多数ある。天才かつ超人だったというイムホテプの正体も含め、エジプトのピラミッド群には多くの謎が残されているのだ。

 

ジェゼル王の墳墓、階段ピラミッド。建造に至る着想から工法まで、ピラミッドの謎はここから始まっている。

ジェゼル王の墳墓、階段ピラミッド。建造に至る着想から工法まで、ピラミッドの謎はここから始まっている。

 

(「ムー的古代遺跡」より掲載)

文=並木伸一郎

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