週刊ムー語教室/古代から実践されてきた占術「陰陽道」

文=こざきゆう

国家的に取り入れられた呪術と風習

知っているようで知らない〝ムー的用語=ムー語〟をわかりやすく解説する、「ムー語教室」。今回は「陰陽道」をご紹介します。

 

第68回:「陰陽道」

  1. 1 古代中国の「陰陽五行説」を由来とし日本で独自に成立した。
  2. 2 病気や災害などを占う、最先端の自然科学技術だった。
  3. 3 明治時代に廃止されたが、現在も陰陽道の影響は暮らしに根づいている。

今から20年ほど前、漫画や小説、映画で、平安時代の「陰陽師」安倍晴明を描いた作品が大ヒットをしました。以後、陰陽師そのものを主人公にした作品は数多く登場し、安倍晴明を祀る神社には参拝客が跡を絶たないなど、いまだ根強い人気を誇っています。この陰陽師が使う術の元になっているものが、今回、解説する「陰陽道」です。

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そもそも陰陽道とはどのようなものなのでしょうか。その元となった古代中国の「陰陽五行説」から見てみましょう。

陰陽五行説は、万物を陰と陽、マイナスとプラスといった二元論で説明しようとする「陰陽説」と、この世のものはすべて、木火土金水の5要素から成り立っているという考えによる「五行説」という、異なる説が合わさったもの。それぞれの異なる視点から、自然の摂理を科学的に説明しよう、という自然哲学思想です。

古代中国では、この陰陽五行説に基づいて、祝いごとや災厄、吉凶を占う実用技術として発展してきました。やがて、儒教や道教にも取り入れられるうちに、日本には飛鳥時代に伝来されたとされます。そして、日本で独自に解釈、研究が行われ、律令国家の陰陽寮で組織化。10世紀ごろに「陰陽道」として体系が成立しました。

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陰陽五行説をベースにして発展したものですから、陰陽道の使われ方は自然界の動きを見る技術として用いられてきました。病気や災害の占いにはじまり、日時や方角の吉凶の判断、さらには呪いの儀式などが行われたのです。これらを国の行事、仕事として行ったのが、陰陽師というわけです。

呪術的な印象がありますが、当時の天文学など最先端の学問が反映されているので、最先端の自然科学技術の賜物、といえる側面もあります。

漫画や小説などの影響から、私たちは陰陽道が平安時代に重視されていたように思えるかもしれません。しかし、もっとも活用されていたのは室町時代のこと。足利幕府は、仏教とともに陰陽道を国家的な祭祀に取り入れていきました。やがて江戸時代になると、陰陽道の考えは民間にも広がり、多くの陰陽師が活躍し、人々の生活にも浸透していったのです。しかし、明治維新が行われ、新政府の近代化政策によって、陰陽道は廃止されました。

ただし、浸透していたという名残は今もあります。ひな祭りや七夕、さまざまな季節の儀式などの由来は陰陽道にあるのです。私たちは知ってか知らずか関係なく、陰陽道の影響を受けているというわけです。

文=こざきゆう

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