週刊ムー語教室/人工知能が人間を超える「シンギュラリティ」

文=こざきゆう

2040年に超人AI誕生!?

知っているようで知らない〝ムー的用語=ムー語〟をわかりやすく解説する、「ムー語教室」。今回は「シンギュラリティ」をご紹介します。

 

第71回:「シンギュラリティ」

  1. 1 シンギュラリティとは、人工知能(A・I)が人間の知能を完全に超えるときのこと。
  2. 2 それは2040年あたりに訪れると考えられている。
  3. 3 その後は仮想現実そのものが現実になるなど、われわれの想像しえない世界となる!?

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ひと昔前まで「人工知能(AI)は、チェスで人間に勝てても、将棋では勝てない」といわれていました。しかし、「ボナンザ」と名づけられたA・Iは、2005年の公開以降、次第に棋力を高めて、ついには2012年にプロ棋士にも勝利しています。

この話は近年のAIの進歩を象徴する事例のひとつですが、今や、AIはさまざまな分野に活用され、急速な発展を続けています。この先ももちろん、日進月歩で進化を遂げていくでしょう。そして、AIが人類よりも賢くなり、知能を完全に超える日は、そう遠い未来ではないと考えられています。AIが人類の知能を凌駕する、〝そのとき〟を「シンギュラリティ(技術的特異点)」といいます。

シンギュラリティに達すれば、その後は、人類の知能を超えたAIが、自身より優れたAIを完成させるようになります。すると、その優れたAIは自身より優れたAIを作り上げていき……ということが繰り返されていきます。そして、コンピューター技術は人類には不可能な速度で、爆発的進化を遂げると予測されているのです。

それでは、肝心のシンギュラリティは、いつ到来するのでしょうか。

これについて2005年、アメリカのAI研究における世界的権威レイ・カーツワイルは、「2045年にシンギュラリティが実現するだろう」と発表。あまりに具体的かつ手の届く未来だったこともあって、大きな話題となりました。ほかにも、2030年になる前にシンギュラリティが起こるというものなど、AIの有識者たちの見解はさまざまですが、彼らの予測する中央値としては2040年といわれます。いずれにせよ、今世紀半ばにはシンギュラリティが実現するとみていいかもしれません。

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こうなると気になるのが、シンギュラリティが到来した後には、どのような変化が起こるのか、ということでしょう。

カーツワイルは、シンギュラリティ到来直後には「1000ドルで買えるコンピューターが全人類の知能を超える」「技術開発がAIに取って代わられる」と予想しています。

また、いきなりそこまではいかない、恐らく最初のうちは大きな変化は起こらない、と考える識者もいます。というのも、シンギュラリティが到来してすぐは、まだAIがAIを改良していく初期段階だからです。

しかし、遅かれ早かれ、人間が今まで機械にまかせずにやってきたことが、やがてどんどん機械に置き換わっていくようになります。その結果、これまでの機械化されてきた単純労働のみならず、頭を使う作業もすべて機械化される可能性があります。

そのとき、人間は何をやっているのでしょうか?

また、AIの発展が加速していけば、人間の肉体と置き換えられる機械化された体も作られ、不老不死が実現したり、サイバー空間に自身の脳内データや意識をスキャンしアップロードすることが可能=バーチャルリアリティの世界が現実と代わらないものとなる、との説もあります。まるで映画『マトリックス』を思わせます。

一方では、映画『ターミネーター』のような世界を考える人もいます。高度に進化しつづけていく機械が、やがて人類のコントロールから脱して人類を淘汰するという未来像です。

とはいえ、シンギュラリティが起きた先は、人間の知能を超越したA・Iが大きな影響をもたらすため、人間が現時点で想像できるような世界とは、まったく異なるものになる可能性は十分あるでしょう。われわれには、どのような未来が訪れようとしているのでしょうか。われわれは今、期待と不安の岐路に立たされているのです。

文=こざきゆう

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