マヤ神官が蘇らせた「チラム・バラムの予言書」/世界の大予言

焚書されても生き延びた予言書

1492年、新大陸を発見したコロンブス。しかし発見された側の南北アメリカ先住民にしてみれば、それは異星人による侵略にも等しい災厄であった。

以降、先住民たちは白人入植者による酷使、虐殺、さらには未知の感染症により、その文化を徹底的に破壊されるのである。

マヤ文明を育んだユカタン半島も例外ではない。1541年当時、当地に滞在したスペイン人宣教師の証言によれば、現地人は男女を問わず強制労働に従事させられ、捕虜は絞首刑か八つ裂きにされ、女性は錘(おもり)をつけられ池に放り込まれたという。

宣教師とて侵略者に変わりはなく、改宗を拒むマヤ人を拷問し、古来の貴重な絵文書を悪魔の書物として焼き捨てた。しかし過酷な焚書で消滅しつつも、マヤ神官が記憶をたどり、アルファベット表記で甦らせた稀覯本(きこうぼん)がある。それこそが「チラム・バラムの書」である。

20170716_yogen

チラム・バラムの書。

チラム・バラムの語は、直訳すれば「ジャガーの神官」。16世紀初頭、マヤの学問都市・マニの町に生き、20歳の若さで死去した神官・カトゥンニ・アハウの予言をまとめたものとされる。予言書は、マヤにおける天地創造の瑞々しい描写からはじまる。問題は次章、「カトゥン(年代)の予言」だ。

「カトゥン11アハウ(マヤの伝統暦による年代)。イチカンシホは異民族がやってきたとき、カトゥンの本陣だった。太陽の息子たち、東から来た髭の生えた人々が我々の国にやってきたとき、その髭は赤かった。それは5月の花(肉欲の隠喩)の時代のはじめにおける大地の異民族、白い人間たち、赤い人間たちだった。

(中略)

ああ! ともに泣こう、なぜならば彼らはやってきたのだから。石を集める多くの人々、木を集める多くの人々、白いイブエテルたちが来るだろう。彼らの先から火が炸裂するだろう。彼らは多くの毒を持ち、多くの首長の首を吊るためにやってくるだろう」

異民族も銃火器も知らないマヤ人が受けた恐怖が、難解な文章から滲みだす。

 

 

「地は燃え、天には輪が浮かぶ」

さて「チラム・バラムの書」は最終章に至り、チラム・バラムはじめ著名な神官の予言を列挙する形式となる。その一節「ナプクトゥン」を見てみたい。

「地は燃えるだろう。天にはいくつもの輪が浮かぶだろう。カウィル(神)は立たれるだろう。来るべき時の中に立たれるだろう。来るべき時のカトゥンの間、大地は燃え、鹿の蹄(ひづめ)は燃えるだろう」

神に去られた大地は、天変地異に苛まれるのだろうか。人知のおよばぬ何かに、我々は襲われることになるのかもしれない。

20170716B_yogen
チラム・バラムの書が見つかったメキシコ、ユカタン半島にあるマニの町の教会。

 

(ムーSPECIAL「世界の大予言FILE」より)

  • 1

関連商品

ムーSPECIAL
世界の大予言FILE

ムーSPECIAL
世界の大予言FILE

予言雑学研究倶楽部(編著)

価格:505円
発行:学研
発売日:2014/02/10

この記事と同じトピックを探す

関連記事

編集部おすすめ

アクセスランキング

  • デイリー
  • ウィークリー
  • トータル