最高芸術と呼ばれた「ノストラダムスの予言」/世界の大予言

なぜ、難解な四行詩で書かれたのか?

「若き獅子が老いた獅子を打ち倒すだろう/戦場での一騎打ちで/金の籠の中で目は刺し貫かれる/ふたつの傷はひとつになり、やがて残酷な死が訪れるだろう」(『百詩篇』1巻35番)

ノストラダムスがこの詩を発表した4年後、アンリ2世はエキシビションで行われた騎馬試合に参加した際、ひとりの若い騎兵に誤って目を刺し貫かれ、非業の死を遂げる。詩の中にある「金の籠」は、アンリ2世がかぶっていた鉄兜を意味すると理解された。人々は畏怖の念を持って、国王の死とノストラダムスの予言を結びつけたのである。

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予言を書き記すノストラダムス。

ノストラダムスの予言は、国家や地域など、民衆の共通の未来について述べられていた点に特徴があった。個々の未来については、自宅でのカウンセリングや書簡で応じていたという。

また、四行詩という手段で表現している性格上、読む人により詩の解釈が分かれることも多かった。難解ともとれる抽象的な文章で予言した理由については、「宇宙の真理という究極の概念を、あまりに安易に世俗化してはならない」という彼なりの信念があったからだともいわれている。『百詩篇』の中でもっとも有名な以下の詩についても、実にさまざまな解釈がなされている。

「1999年7の月/空から恐怖の大王が降ってくる/アンゴルモワの大王を甦らせるため/その前後はマルスが支配する」(『百詩篇』10巻72番)

この詩は長らく終末予言のひとつと理解され、20世紀後半には多くのメディアを賑わせてきたが、実は詩の中に「人類滅亡」の記述はいっさいない。

また、『百詩篇』の中には西暦3797年の事象を予言したと思われる詩も残されていることから、この10巻72番の詩が終末予言であるかについては今も議論がある。

一説には2001年9月の「アメリカ同時多発テロ事件」の暗示ともいわれており、「大王」はオサマ・ビンラディンを、「マルス」は軍神を指すとの指摘もある。ただし、ふたつの間には26か月の〝時差〟があり、この点についても世界中の歴史家がさまざまな角度から研究を進めている。また、西洋古典学の権威だった故ピエール・ブランダムールのように、「1999年8月11日の皆既日食を正確に予言したもの」との分析もある。

パズルのように複雑で難解な四行詩で綴られ、「曖昧さの最高芸術」ともいわれるノストラダムスの予言には、今も多くの謎と可能性が残されているのである。

 

(ムーSPECIAL「世界の大予言FILE」より)

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