オーパーツの基礎知識/遮光器土偶

文=並木伸一郎

東北で出土した奇妙な共通点をもった土偶たち

遮光器2

  • 発見場所:日本
  • サイズ:高さ36.7センチ
  • 製作年代:紀元前1000~400年ごろ
  • 推定制作目的:祭祀用、神像、呪物など

縄文時代晩期の集落遺跡として知られる青森県つがる市の亀ヶ岡遺跡。ここに初めて土器が出土したのは、400年ほど前の江戸時代初期のことだ。

さらに明治19年(1886年)、には異様な形の土偶(人の形に作った土製品)が出土した。

これは土偶としてはやや大きく、高さは36.7センチ。横筋の入った巨大な目と丸みを帯びたメカニカルなデザインの衣服をつけているのが特徴だ。その後も、宮城県など東北地方を中心に、多少の差異はあるものの、巨大な目と丸みを帯びた衣服が共通する土偶が次々と発見された。

宮城の遮光器土偶

(↑宮城県で発掘された遮光器土偶の一種)

これらの多くが、約3000年前に製作されたと推測されている。そして、北極圏地方の先住民イヌイットが使用する氷雪の反射光よけの遮光器(ゴーグル)が、これらの土偶の眼部に似ていることから、「遮光器土偶」と名づけられた。

では、この遮光器土偶の異様な姿は何を表したものなのだろうか? 一般的には、「女性を表したもの」とされ、乳房、腹、臀部、太ももが強調されたような意匠から、生殖を介した繁殖や豊穣を祈願したものとされている。、あた、亀ヶ岡土偶の左足が欠けていることからもわかるように、手足や頭部が欠損しているものも少なくない。

これは、病気などで異常のあるところの治癒を願って、あえて破壊したとする説もある。さらに、ひとつの遺跡から数十個と大量に見つかることから、呪術的に使われたものともいわれている。

遮光器土偶は宇宙服を着た異星人なのか!?

ところが、従来の考古学界が主張するこういった定説を否定する者がいた。それはソ連(現ロシア)のSF作家兼科学評論家のアクサンドル・カザンツェフだ。第2次世界大戦後に来日したカザンツェフは、遮光器土偶をいくつかソ連に持ち帰って研究し、1962年に科学雑誌「アガニョーク」にその成果を発表した。

彼の説は、”遮光器土偶=異星人”だとし、古代に地球を訪れた宇宙服を着た異星人をモデルにしたというものだ。それによると、頭部にあたる部分はヘルメット、頭頂部にある角状の突起はアンテナ類、大きな目は文字通り光を遮るための遮光器であるという。

彼はまた、土偶のモデルとなった異星人が、太陽の光の乏しい薄明りの惑星から来た可能性をも示唆した。さらに、胸の乳房に似た突起は何かの装置を連結するパイプ、または調節ダイヤルと見ることもできるという。

驚くべきことに、その形態は1968年にNASA(アメリカ航空宇宙局)が公表した宇宙服と極めてよく似ているのだ。

NASA宇宙服

(↑NASAが開発した火星の有人探査で使用される予定の宇宙服)

実は、この遮光器土偶のほかにも、宇宙服らしきものを着用した遺物が見つかるのは日本だけではない。それゆえ、アメリカの言語学者で宇宙考古学の権威でもある故ゼカリア・シッチンも、”遮光器土偶=異星人説”に賛同し、土偶=異星人は、われわれよりはるかに高度な文明をもった知的生命体だと断言してはばからなかったのだ。

はたして、呪術のツールとして作られたものか、または当時、地球を訪れた異星人を模して作られたものなのか……。

遮光器土偶は、古代の定説を覆してしまうかもしれないオーパーツのひとつとして、今も存在している。

文=並木伸一郎

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