オーパーツの基礎知識/黄金ブルドーザー

文=並木伸一郎

パナマの遺跡から発掘された謎の黄金細工

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  • 発見場所:パナマ、コクレ県知
  • サイズ:全長約20センチ
  • 材質:金
  • 製作年代:6~11世紀
  • 推定製作目的:工芸品/土木作業用重機の模型

中央アメリカ、パナマ南部の太平洋沿岸に位置するコクレ県で発見された奇妙な遺物が、この「黄金ブルドーザー」である。この地には6~11世紀にかけてコクレ文化が栄えていた。その、同じ中央アメリカで栄えたマヤの都市とも交流があったと伝えられるコクレ文化の遺跡から、大量の陶器や装身具、黄金細工の工芸品などに混じって出土したのだ。

視覚にカットされた巨大なエメラルドが背中にはめ込まれた、長さ約20センチのこの黄金細工は、発掘当時、口を開けて歯をむき出したワニかジャガーを模したものだと考えられていた。だが、つぶさに見ると、尾の部分には歯車らしきものが付属しているなど、動物というより、妙にメカニカルなイメージを抱く。

この謎の遺物は、1951年と1964年い出土地域で大規模な調査をした、アメリカのペンシルベニア大学博物館が所蔵することとなった。。当時、同博物館が作成した説明書には、次のように書かれていた。

「大きなエメラルドがはめ込まれたジャガーで、口はヘビを象っている」

マヤの密林を切り開いた重機なのか!?

しかし、この説明に違和感を感じた人物がいた。コロンビアで発見された「黄金ジェット」の研究で知られるオーパーツのパイオニア、アイヴァン・T・サンダースン博士だ。博士には、これがジャガーを模した工芸品とは思えなかった。

まず、仮にワニだとしても胴体が寸詰まりで、足の関節が動物のそれとはまったく逆になっている。さらに尾の付け根の両側と先端に突き出た謎のアーム、アームに付属した奇妙な小片、尾の先端の両側に付属する2個の歯車。それらが、この黄金細工が何かしらの”機械”であることを暗示している証拠ではないだろうか?

そして、博士はこの黄金細工を”古代のブルドーザー”のような機械の縮小模型だと考えた。そして、尾の先端は歯車連動式の巻き上げ機、掘削用のアーム、先端についた三角形の小片は泥除け、頭部は歯状のバケット、胴体の周囲の装飾はキャタピラ、足の関節部分は重量のあるものを支える際の緩衝装置だと見立てたのである。

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(↑黄金ブルドーザーの俯瞰画像)

実際に、これがブルドーザーだとすると、コクレ文化と交流があったマヤ文明の発展に使われた可能性が高い。

なぜなら、マヤ文明を支えた都市の多くは密林を切り開いて造られたものだからである。また、遺跡を見てもわかるようにそれらの都市を構築する建造物は巨石を切り出した巨大なものが多い。はたして、それが人間の力だけでそれが可能だったのだろうか?

もしかしたら、マヤの人々はこのようなロボット重機を使って密林を伐採して巨石を運び、ピラミッドや神殿を建設したのではないか? もちろんコクレ文化を含め、こうした遺跡から重機を使用したなどという記録は残っていない。だが、そうとしか思えないほど密林の中から忽然と姿を現すマヤの巨大建造物は壮観なのである。

この黄金細工は、本当に古代の重機を模したものだっただろうか? サンダースン博士の仮説が正しいければ、マヤの人々は本来知らなかったはずの先進技術をどこから手に入れたのだろうか?

この遺物も、人類の歴史を覆してしまうかもしれないオーパーツのひとつなのである。

文=並木伸一郎

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