ラグナロクの予兆!? 古代の神々を封印した十字架を巡る怪事件

文=並木伸一郎

巨人界と人間界を分かつ伝説の聖十字

P146-147-1

ノルウェーとロシアの国境地域グレンセ・ヤコブセルフには、巨大な木製の十字架が海に向かって立っている。実はこの十字架は、11世紀初頭、ノルウェーのキリスト教化に尽力したトリヴェソン王が建立した極地に棲む古代の神々を封印していると伝えられている。

19世紀初頭、この十字架が忽然と姿を消した。当地の漁師たちは信仰の支えを失い、北欧神話が伝える最終戦争「ラグナロク」の到来を噂しあった。神話では巨人の伝説が広く信じられており、最終戦争を生き残るのは魔神たるこの巨人族だと伝えられていた。はたして、魔神に救済を願う悪魔崇拝がこの地に蔓延したのだ。

1868年、これを憂慮した教会は、カイ・エングストローム主教に十字架再建を命じる。だが、十字架を地に刺そうとしたとき、怪異が起こる。海面から100を超える銀色の球体が出現し、雷光が十字架を襲ったのだ。自らを楯にこれを守った兵士たちは次々と倒れ、十字架を刺す岩盤から現れた大蛇に、主教も盤下へと引き込まれてしまう。だが、残された兵士たちが十字架を岩盤へ突き刺すと、同時に怪異もおさまったという。

まさに宗教的な出来事だが、このとき失われた者の記録は、正式なものとして残されているのだ。

北欧神話において、巨人は地底に棲むといわれるが、最近では、別の次元に存在するとする説もある。いずれにしても、巨人が存在するのだとすれば、この十字架は人間界と巨人界を分かつ最前線に立っていることになる。もし、再び失われるようなことがあれば、今度こそラグナロクが現出されてしまうかもしれない。

文=並木伸一郎

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