週刊ムー語教室/ガジュマルの木に棲む沖縄の妖怪「キジムナー」

文=ムー語講師・こざきゆう

精霊、妖怪、それともUMA?

知っているようで知らない〝ムー的用語=ムー語〟をわかりやすく解説する、「週刊ムー語教室(毎週火曜日)」。今週は、沖縄で広く知られる妖怪「キジムナー」を紹介します!

 

第43回:「キジムナー」

1:キジムナーは、沖縄のガジュマルの古木に宿る精霊、もしくは妖怪といわれている。

2:さまざまな伝承だけでなく、第2次世界大戦前には、実際に目撃したという証言も数多く残されている。

3:実在の可能性の高さから、実はUMAの一種ではないかとも考えられている。

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沖縄県では、だれもがその名を知っているといっても過言ではないほどポピュラーかつ不思議な存在、それがキジムナーです。

キジムナーは沖縄を中心とした南西諸島のガジュマルの古木に宿る精霊、もしくは妖怪とされています。

人間の子供のような身長で、頭は大きく、ざんばらに垂らした縮れ髪で、体は赤く、また、指は4本で水かきがあるといわれています。この水かきからもわかるように、おもな出没場所は川岸や水辺。好物は魚介類、とくに魚の目玉を好むようで、目玉だけがない魚の死骸があったらキジムナーが食べた跡だといわれるほどです。

また、性格は人間に対して友好的で、子供のようにいたずらが大好きだとされます。

さらに、妖怪の「座敷童子」のように、キジムナーと親しくなるとその家は裕福になり、逆に追い払うと家は貧乏になるようです。地域によって内容の細部は異なりますが、典型的な例をひとつ、紹介しましょうーー。

ある家の軒先にガジュマルがあり、そこにキジムナーが棲んでいました。その家の人は、キジムナーと仲よくなり、漁を手伝ってもらいました。するといつも豊漁で、またたくまに金持ちになったのです。ところが、やがてその家の人がキジムナーを虐げるようになると、キジムナーは怒り、漁船を沈め、家を燃やすという恐ろしい報復を行ったのです--。

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また、キジムナーは伝承のみならず、実際に目撃されています。近年では目撃証言はほとんどないようですが、第2次世界大戦前は、沖縄本島のあちらこちらでキジムナーと遭遇したという証言が数多くあるのです。沖縄県北部の大宜味村では、観測小屋を作って、キジムナーの出現を夜通し待つという「アラミ」という風習が戦後すぐまであったほどです。

このほか、沖縄には、キジムナーの足跡を見るという遊びもありました。これは、薄暗い場所に小麦粉を撒き、そこに円を描き、中心に火をつけた線香を立て、呪文を唱えて隠れます。十数秒ほど数えてその場所に戻ると、小麦粉にキジムナーの足跡がついているというのです。この遊びは昭和に入ってからもしばらく、子供たちの間で行われていたそうです。

こうした目撃例や実際に行われていた観測、子供たちの遊びなどから、キジムナーの正体は精霊や妖怪などではなく、実在の生物ーー未確認生物UMAの一種であるという考えも根強くあります。

キジムナーの死骸が発見されたことはありませんが、それは多くのUMAでも同様のことです。また、キジムナーの棲息地といわれる場所には必ず断崖絶壁があることから、人間が登攀することができない場所に巣があり、死骸や骨はそこにあって見つかっていないだけではないか、という説を唱える研究者もいます。

もしかするとキジムナーは、実在の可能性が高いUMAの一種であり、現代ではその棲息数を減らした絶滅危惧種なのかもしれません。

 

文=ムー語講師・こざきゆう

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