空からやってくるお金の精「金霊」/日本の妖怪

文=宮本幸枝

無欲な者にこそ訪れる幸運

「金霊(かなだま)」は「金玉」ともいい、それが落ちてきた家は富に恵まれ、裕福になるといわれた。

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蔵の中に小判があふれる様子を描いた「金霊」。 漫画家・水木しげる氏も空を飛ぶ金霊を見たという。

 

金の“気”や“精”のようなものであるとか、空から落下してくる光り輝く玉であるなど、伝えられる形態はまちまちである。

静岡県沼津地方に伝わる話では、夜道を歩いていると赤い光の玉が足元に転がってきて、これを床の間に飾ると一代で巨万の富を得ることができるという。ただし、何か手を加えたり傷をつけたりすると、あっという間に家は傾き、一代限りで断絶してしまうといわれた。

江戸時代の妖怪絵師・鳥山石燕(とりやませきえん)が描いた金霊の解説には、「無欲な者が金銀の気を知る」という中国の詩が引用されており、欲ばらずに善行を尽くせば、やがて福が訪れるということが表現されている。

 

(「日本の妖怪FILE」より掲載)

文=宮本幸枝

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