「パワースポット」のブームとムー的考察/あのときのムー

文=小崎雄

古代から伝わる「特別な場所」

「パワースポット」といえば、その場所を訪れた人の心と体を浄化し、運命を好転させる“特別な場所”だ。大地のエネルギーが集まり充満している場所と考えられ、古くから、日本のみならず世界各地で、そうした場所の存在は人々に知られてはいた。しかし、一般的に知られるようになったのは2000年代に入ってからだろう。徐々にその存在が雑誌やメディアの話題にのぼるようになり、2010年にはパワースポット・ブームが巻き起こったことは記憶に新しい。

もちろん、「ムー」でもパワースポットについては、これまで何度も取り上げている。さっそく振り返ってみよう。

「ムー」が最初にパワースポットに着目したのは、1993年8月号の実用スペシャル「パワースポット発見法」。付録の「日本列島パワースポット・ガイド」の解説記事である。

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(「ムー」1993年8月号)

 

誌面では「そこにいるだけで、なぜだか知らないがホッと落ち着く場所がある。(中略)そこに行ったらなぜかツキまくるようになって、運勢がガラリと好転してしまうような場所もある。そんな神秘の場所を『パワースポット』と呼ぼう」とある。つまり、まだ当時、パワースポットという呼び方は認知されていなかったと思われる。

記事内では、パワースポットは「地球の発するエネルギーに直結した、人体でいうツボのような場所」という基本的な情報から、スポットの御利益を受けるための事前準備、自分だけのパワースポットを見つけるテクニックなどが紹介されている。付録と合わせて、今日では当たり前のパワースポット・ガイド本の要素を、すべて抑えてあったといえるだろう。

この記事でパワースポットが注目され、ブームの端緒となり、後のガイド本の雛形ともなった……と大胆にいいたいところだが、残念ながら、そうではないようだ。というのも、話題になれば数年に一度でも取り上げていてもおかしくはないが、「ムー」で次に大きくパワースポットが扱われたのは2008年のこと。最初の記事から15年後だったからだ。

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(「ムー」2008年8月号)

 

それが、同年8月号の「驚異のゼロ磁場『分杭峠』を行く!!」である。1990年代末ごろより、パワースポットとして注目を集めだしたこともあり、当時、話題となっていた長野県伊那市の分杭峠を編集部が訪れ、癒しの効果を生み出す秘密を探ったのだ。

「ムー」で本格的にパワースポットを取り上げていったのは、さらに2年後の2010年から。本誌でもおなじみの霊能者、小林世征氏によるパワースポット探訪の連載「パワースポット紀行」が開始された。その第1回では、小林氏が発見した、東京タワー近くの「蛇塚」が取り上げられている。この場所は、今やパワースポットとしておなじみだ。

同年は、冒頭にも触れたように、パワースポット・ブームのまっただ中。「パワースポット紀行」の連載とともに、「ムー」でも攻めの姿勢をとっている。やはり小林氏による「最強パワースポット活用法」および付録「日本全国パワースポット・ガイド」(6月号)、付録「厳選! 全国霊水パワースポットガイド」(8月号)、「世界のパワースポット」(9月号)……と、

2012年まで、ほぼ毎号、パワースポットは何らかの形で取り上げているのだ。その多くは、パワースポット・ガイド中心だった。

そんな中、「ムー」におけるパワースポット総まとめ的な記事ともいえる特集が登場。2011年1月号の総力特集「徹底解明!! 開運パワースポットの謎」だ。パワースポットがなぜパワースポットなのか、そのメカニズムはどうなっているのかを、霊能者の小林氏の案内や風水の見地からも徹底解説した。

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(「ムー」2011年1月号)

 

さらに、2014年12月号の実用スペシャル「スーパーガイア人『清田益章』直伝!! 超能力パワースポット活用法」が掲載。パワースポットの命名者ともいわれる超能力者の清田益章が登場し、パワースポットとは「スポットライトがあたっているように感じる場所」と、その命名の原点を語ってもらった。そして、これまでガイド中心だった本誌が、再びパワースポット活用法という原点に立ち返った記事となったのである。

世間の一大ブームこそ落ち着いてきた現在でも、パワースポットは世間の注目を集めている。「ムー」でも一時期の頻度ほどではないにせよ、着実に定番として取り上げている。それは、癒しを求める人々が後を絶たない世相の反映ともいえるだろう。

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(「ムー」2014年12月号)

文=小崎雄

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