ソ連最強の超能力者=ニーナ・クラギーナ/超能力大全

編=オカルト雑学探究倶楽部

 動いている心臓を止めた念力者

1970年3月10日、ソ連(現ロシア)のレニングラードにある心理学研究室で、ある超能力実験が行われていた。

ステンレス製の実験台には、リンゲル液で満たされたビーカーがひとつ置かれ、そのなかには取りだされたばかりのカエルの心臓がドクン、ドクンと動いている。

その前に数人の科学者と、中年のソ連人女性が座った。彼女の名前はニーナ・クラギーナ(1926~1990)。本名をニネル・セルゲーブナ・クラギーナという。透視、サイコキネシスなどをこなす超能力者として政府公認の人物だった。

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念力で対象物を動かすニーナ・クラギーナ。

 

午前10時28分――。

「さあ、念力でこのカエルの心臓を止めてみてください」

実験の責任者であるセルゲーエフ博士の言葉に、彼女は精神集中をはじめた。ビーカーからの距離は50センチほど。やがて彼女の顔が紅潮し、体も細かく震えてくる。

そして3分後の午前10時31分。カエルの心臓がその動きを止めた。ウソのようにぴくりとも動かない。セルゲーエフ博士らは、緊張から解きほどかれるように、ひそめていた息を一気に吐きだした。

クラギーナも力を抜き、ほっとした表情でリラックスする。小さな拍手とともに、場の空気が少しだけ動いた。

――と、その瞬間、カエルの心臓はぴくりと身震いしたかと思うと、再び鼓動を打ちはじめたのである。

この鼓動はその後、1時間ほど続いて今度は完全に停止した。

このことはつまり、最初の心臓の停止が時間の経過によって自然に起こったものではない、ということを意味する。

心臓はまぎれもなく、クラギーナの念力によって一時的に「止められた」のだ。

 

熱で衣服も燃える

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クラギーナの念力は、ケースの中の物体であっても動かせることができる。

 

このあまりにも衝撃的な結果に、セルゲーエフ博士は興奮し、思わずこう口走った。

「念力で、私の心臓を止めることもできるかね?」

思いもかけない言葉に、クラギーナは一瞬とまどいの表情を見せた。が、うなずくと再び精神集中をはじめた。

博士の体には心電計がセットされ、リアルタイムで心臓の鼓動の様子がモニターに映しだされた。その鼓動に波がある。速くなったり遅くなったりするのだ。

どうやら彼女が精神を集中させると鼓動は速くなり、リラックスすると平常値に戻るという相関関係があるようだった。

そして5分後、博士の鼓動が異様に速くなった。体も苦しそうにぷるぷると震えている。クラギーナも細心の注意を払いながら、これまでにない高度な精神集中をはかっているようだった。

「おい、もうこれ以上は危険だ! 実験を中止しろ!」

突然、心電図を見つめていた科学者が叫んだ。博士の心臓の鼓動は、まさに止まる寸前だったからだ。クラギーナは博士の心臓が完全に止まらないように、ギリギリのところで念力をコントロールしていたのだ。

セルゲーエフ博士らが調べたところによると、クラギーナが念力を発しているときには、彼女の体の半分に、放電によって形成されたエネルギー場が確認されたという。そして残りの体半分では、そのエネルギーが体の奥深くに吸収されているらしい。

血圧も脈拍も上昇し、脊髄には刺すような激しい痛みが走った。ときには手の皮膚に火傷を生じ、炎が衣服の袖口に燃え移ったこともあった。さらに実験後には体重減と頭痛、不整脈に苦しめられるのが常だった。

こうした実験の様子は撮影され、公開された。それを見た世界中の研究者やジャーナリストが彼女に実験への協力を依頼。クラギーナは身体的苦痛も承知のうえで、可能なかぎり要請に応じようとした。しかし、晩年に心臓発作を起こすと彼女の力は急速に衰弱し、実験に耐えうる体力が戻ることは二度となかったのである。

 

(「決定版 超能力大全」より掲載)

編=オカルト雑学探究倶楽部

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