近未来に起こるコンピュータの進化と誤算/怖すぎる未来年表

2023年、量子コンピュータ実用化へ!?

 

量子コンピューターは、量子力学の原理を利用した、まったく新しいコンピューターだ。

原子よりも小さな電子などは、粒子としての性質と波動としての性質の両方をもっており、同時に複数の場所に存在する状態が重なり合っている。そのような、私たちの日常感覚とはかけ離れた法則のもとにある極小のものを量子といい、量子を支配する法則を解き明かそうとする研究を量子力学という。

 

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従来のコンピューターは、0または1のデジタル信号で計算処理を行っており、この情報の基本単位をビットと呼ぶ。これに対して量子コンピューターの基本単位である量子ビットは、0と1の両方が重ね合わされたものだ。その性質のおかげで、従来のコンピューターがひとつの計算を行っている間に、量子コンピューターは同時進行で複数の計算を行うことが可能である。同時に行える計算の数は天文学的なものになり、現在のスーパーコンピューターを大きく凌駕するという。

量子コンピューターは、これから5年ほどで実用化されるのではないかといわれており、2018年にはNECが、2023年の実用化に向けて開発体制を強化すると発表した。

量子コンピューターが実用化されたとき、AI(人工知能)の技術開発に応用され、めざましい成果が得られるだろうと期待されている。

量子コンピューターが得意なのは、多くの要素の組み合わせの中からもっともよいものを探す、組み合わせ最適化問題という分野だ。そしてこの組み合わせ最適化問題は、人工知能の開発における機械学習やディープラーニングに適応される。つまり、量子コンピューターが実用化されたとき、人工知能の技術も飛躍的に発展することが期待されるのだ。今、各国の企業が、量子コンピューターの研究に注目している。

 

2038年、世界中のコンピュータ誤作動する!?

 

2038年、世界中のコンピューターに誤作動が起こる可能性がある。これを2038年問題といい、多くの有識者により警告されている。

 

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現在のコンピューターの多くには、C言語というプログラム言語が使用されている。

C言語では、時間の計算は符号つき32桁の2進数で、「1970年1月1日0時0分0秒から何秒経過したか」で計算されているのだが、この方法だと、2038年1月19日3時14分7秒にすべての組み合わせを使い切ってしまい、コンピューターは「現在時刻は1901年12月13日20時45分52秒」という誤った判断をしてしまうことになるという。これが起点となって、多くのトラブルが発生することが予想されている。

 

2038年問題に先立ち、2000年問題があった。開発された当初はコンピューターの容量が小さかったため、たとえば「1990」年を4桁で管理せず、「90」年と2桁で管理していた。そのため、2000年になるとコンピューターが「現在は1900年」と誤った認識をしてしまう危険性があったのだ。2桁表記のプログラムが4桁表記に修正され、影響は微々たるものに抑えられたが、プログラム修正にかかった費用は世界中で数百億ドル規模だったといわれている。

2038年問題はもっと根本的なことが原因なので、比較にならないほどのトラブルや混乱が起こると予想されている。問題の恐ろしさを認識するのに専門的な知識が必要であるため、一般の関心を得ることが難しく、十分な対策が取られない危険性もある。

情報が古いものとして処理され、検索に引っかからなくなったり、消去されたりしてしまいかねない。極端にいうと、銀行のコンピュータや核ミサイルの制御装置が誤作動を起こす可能性もあるのだ。

 

2045年、シンギュラリティの到来

 

シンギュラリティという言葉を、最近よく耳にするようになった。これは技術的特異点のことで、技術が進んだ先がどうなっていくのか、推測できない状態になってしまう限界を指している。

 

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発明家のレイ・カーツワイルらは、科学技術の進展の速度が人類の生物学的限界を超えてしまうことを予言した。人工知能が発達すると、人工知能自身が次世代の人工知能を作るようになる。その次世代人工知能がまた次の世代の人工知能を作るようになり、進歩のスピードが人間の理解を超えて、どう進歩していくのかまったく推測できなくなる。これがシンギュラリティであり、2045年に起こると予測されている。この試算は、コンピューターチップの性能が18か月ごとに2倍になると予測したムーアの法則にもとづいており、2045年にAIが人間が理解できないほど高い知能となることを、2045年問題と呼んでいる。

シンギュラリティを超えたあとは、知能をもった無数のAIが、人間の代わりにテクノロジーを進化させる時代が訪れるという。

 

では、実際にはどんな問題が起こるのだろうか。まずよくいわれているのが、どんな仕事をやらせてもAIのほうがすぐれているため、人間の仕事が奪われるということだ。AIによって人間が支配されてしまうのではないかという危惧もある。

AIはプログラムによって動くのだから、すべてのプログラムを「人間を最優先にする」という前提で作れば、その危惧は避けられると思われがちだ。しかし、シンギュラリティは人間の予測を超えたところにある。多くの人間に理解できないコンピュータ言語を用いて、AIがAIをプログラムするとき、人間がAIをコントロールすることは、不可能になるのかもしれない。

 

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(「怖すぎる未来年表」より抜粋)

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