隕石衝突は予測不能! ヒストリーチャンネル「人類滅亡の日」

文=川口友万

小さすぎると補足できない

CS放送「スカパー!」のヒストリーチャンネルで、国際共同制作番組『人類滅亡の日~世界が終る10のシナリオ~』が放送される。(2017年2月20日~24日、23:00~25:00/2話連続放送)

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同番組は、人類滅亡を引き起こすさまざまな可能性を再現ドラマ形式でシミュレーションしたもの。小惑星の衝突や核戦争といった定番から昨今話題のガンマ線バーストや太陽嵐によるブラックアウト、さらにはエイリアンによる侵略まで人類がひとり残らず抹殺されるシナリオがこれでもかと放送されるのだ。

毎月のように、誌面で世界か日本を滅亡させている「ムー」としては、この番組に注目しないわけにはいかない! 同番組の発表会に登壇した日本の科学者、東京大学教授 杉田精司氏に話を聞きにいった。杉田教授の専門は惑星科学。はやぶさ2もに深く関わっており、水や有機物を大量に含むC型小惑星の起源と進化の解明に力を入れている。

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はたして、番組のように、地球に小惑星が衝突し、恐竜のように人類が滅びるなどということが本当に起こり得るのか?

杉田教授によると、人類絶滅はともかくとして、小惑星の衝突はあり得るのだという。

「6600万年前に恐竜を絶滅させたような巨大な隕石が落ちてくることはないだろうと思います。しかし2013年にロシアのチェリャビンスク州に隕石が落ちた。幸いだれも死にませんでしたが、あれは大災害になるギリギリの大きさでした」

あのとき落ちた隕石の直径は推定20メートルだ。

「もうひと回り大きい、直径50メートルサイズになったら、落ちたときのエネルギーは一桁大きくなります。1905年に起きたツングースカの大爆発の時の隕石のサイズに近くなります。ツングースカの爆発では40キロ四方の木がなぎ倒されました」

現在、地球の近くにある10キロメートル以上の大型小惑星は、ほぼすべて捕捉されており、地球にぶつかるリスクはない。恐竜を絶滅させた小惑星はおよそ10キロメートルなので、恐竜の悲劇に人類が襲われることはない。

「1キロメートルぐらいの隕石もわかっています。しかしチェリャビンスクのような10メートル、100メートルクラスになると、見つかっていない」

地球に落下する隕石の多くは近地球小惑星という火星~地球の間にある小惑星群。小惑星帯の中で、木星の重力の影響を受けやすい場所にある小惑星が軌道を外れ、地球や火星の引力に引かれて地球の近傍までさまよい出たものだ。そうした小惑星が、ごくたまに地球と交差する軌道上に侵入する。

「前回のはやぶさの探査で、小惑星はガレキの塊であることがわかった。だから落ちてくる時も表面から剥がれ落ちていくわけですね。はやぶさ2ではさらに力学的な構造を詳しく調べます。もし何百メートルという隕石が落ちてくるとなった場合、じゃあ原爆でふっ飛ばせばいいのかというと、そうでもない。ガレキが緩く塊になっているだけですから、飛散してもっと大変なことになりかねない。特性がわかれば、どのような対応すればいいのか、その方法を検討できます」

はやぶさ2が探査する小惑星は水を含むとされ、地球の生命の起源に関わる謎が解けるかもしれないという。小惑星探査には、人類のロマンともいえる研究と、人類を滅ぼすカタストロフ対策が相乗りしているのだ。

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『人類滅亡の日~世界が終る10のシナリオ~』

2月20日(月)~24日(金)23:00~25:00(2話連続放送)

※再放送:2月26日(日)8:00~18:00

 

#1:巨大小惑星の衝突

#2:急接近! ブラックホールの脅威

#3:浮遊惑星の衝突

#4:核戦争の悪夢

#5:太陽嵐による電力システム崩壊

#6:地球規模の大噴火

#7:ガンマ線バースト

#8:急接近する太陽の脅威

#9:エイリアンの侵略

#10:海流停止による大災害

 

文=川口友万

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