聖ヤヌアリウスの「血の奇跡」が巨大災害を警告!?

文=並木伸一郎

ヨーロッパに災厄が!?

2016年12月16日、イタリアのナポリにあるサン・ジェンナーロ礼拝堂は、多数の信者たちで埋めつくされていた。彼らは、これから起こるであろう”奇跡“を待っていたのだ。その奇跡とは、凝固した“聖人の血の液状化現象”である。

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聖ヤヌアリウスの血を手にする大司教。

満を持して登場したモンシニュール・グレゴリオ大司教が、ガラス製のフラスコを手にとり、目の前に掲げた。厳かなしぐさでフラスコをゆっくりと振る。2度、3度。だが、血は凝固したまま液化しない。

「奇跡が起こらなかった!」

「なぜ?」

信者たちの間で動揺が走った。

さらにフラスコが振られた。だがやはり、血は液化しなかった。結局、その日は血の奇跡は起きなかった。

カトリック教界隈では、血の奇跡が起きないとき、世界に不吉な事象・事件が起こるとされており、このニュースはイタリアのニュースサイトなどで取り上げられた。

この聖人の血は、ローマ帝国の迫害により西暦305年に逝去した聖ヤヌアリウスが殉教してから100年後、発掘された遺骨からしたたり落ちたものだ。

現在、聖人の血液は乾燥した状態で2本のガラス製のフラスコに密封されているのだが、年に3回液化する。司祭の手でゆっくりと振られると、やがて固まっていた血が液体になるのだ。液化の奇跡は、聖人が首をはねられた9月19日、ベスビオス火山の噴火を追悼する日の12月16日、そして、5月の最初の日曜日の前日の土曜日にも起こる。数分で液化することもあれば、何日も要することもある。だが、まったく起こらないこともあるのだ。このときには、差し迫った災厄が訪れると信じられている。

事実、液化が起こらなかった1527年、ナポリで疫病が流行し、数万人が命を落としている。また、1980年には南イタリアを襲った地震で3000人が亡くなっている。

災害の規模は徐々に広がっており、次はヨーロッパ全土を震撼させる災害が起こるのではないかという声も上がっている。

あくまで推測だが、その序章ともいうべき災害が起きている。2017年の1月18日、イタリア中部では最大マグニチュード5.7という自身が連続して起こり、多くの住民が被害に遭っている。これが、奇跡と関係があるとすれば、今後、巨大地震がヨーロッパ全土を襲うかもしれないが、それはまだわからない。

ちなみに、フラスコの中身だが、本当に液体であるか否かは、議論が分かれている。容器は密閉されており、なにより聖遺物であるため、科学的調査をすることもかなわないのだ。はたして、密閉された容器には、いったい何が封じられているのだろうか?

ナポリにあるサン・ジェンナーロ礼拝堂。
ナポリにあるサン・ジェンナーロ礼拝堂。

(「ムー」2017年3月号より抜粋)

文=並木伸一郎

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