神撃の終末予言! バハムート復活で世界は滅亡する!?

壁画が予言する最終戦争の再来

『旧約聖書』の「ヨブ記」において、神が創りだした最強の生物がレヴィアタンであり、最高の生物がベヒモスという。バハムートは、そのベヒモスの別名だが、現在ではシュメール神話のティアマトと融合した巨竜としてのバハムートが、アニメやゲームなどで知られている。

 

© Cygames/MAPPA/神撃のバハムート VIRGIN SOUL
© Cygames/MAPPA/神撃のバハムート VIRGIN SOUL

 

アニメ「神撃のバハムートVIRGIN SOUL(以下「神撃のバハムートVS」)は、かつて巨竜バハムートによって滅亡に瀕した世界を舞台とする。作中ではほんの10年前に起こったバハムートとの戦争を語り継ぐべく、王都に壁画が描かれている。

「われわれはいかに魔を打ち払い、この世界を制しているか」という記録によって、勝利の歴史はいずれ神話となる。これは世界各地の創世神話に共通するものだ。

だが、「神撃のハバムートVS」における栄光の壁画は、ある種、不吉なものだ。この壁画を見たとき、ひと目でそれを察した人もいるだろう。

向かって右手にバハムートを配し、左手に立ち向かう人間たちが描かれているが、絵画や舞台などの芸術においては、右から左への動きが時間の流れ、未来へ向かう展開を意味する。これでは、勝利の歴史を刻むはずの壁画が、バハムートの襲来を予兆し、それによって滅せられるべき存在として人間たちを描いてしまっているのだ。

聖書が示すハルマゲドン、北欧神話で既定されているラグナロク、「マハーバーラタ」に描かれた最終戦争など、世界の始まりを描く神話は、終末の予言と対になっている。そして多くの創世神話が、世界は破壊や混沌から生み出されるとしている。そのことを考えれば、世界には必ず始まりがあって終わりがある……どころか、始まりは終わりである、という神話的事実に行きつく。

つまり、アニメの第1話で提示されたこの壁画は、世界の成り立ちを説明するものではなく、バハムートの復活と世界の滅亡を予言しているもの、ということだ。おそらく、意図的に。

 

最終戦争で生き残る「選ばれし者」

トマス・ホッブズは人間が生み出した国家をレヴィアタンにたとえ、地上に君臨する神だとした。

王都の中心に「アーク」を据え、巨大なロボット兵器(ゴーレム)を従えて天使や魔物を支配している。「神撃のバハムート」作中の人間の栄華は、明らかに均衡を欠き、危うさを孕んでいる。まさしく、近代以降の人間文明社会レヴィアタンを表しているのは一目瞭然だ。

「ヨブ記」における世界の終末には、このような描写がある。

最高の生物であるバハムート=ベヒモスと、最強の生物であるレヴィアタンは、組み合って戦いつづけ、いずれも力尽きる。そして両者の死体は「選ばれし者」に供される、と――。

アニメーション作品はフィクションである。だが、そこには、人類史において普遍的な警告と、真に畏怖すべき予言が含まれていることを、忘れてはならない。

 

bhv_key_web
(C) Cygames/MAPPA/神撃のバハムート VIRGIN SOU

 

アニメ「神撃のバハムート VIRGIN SOUL」

 

神秘の世界ミスタルシアを舞台に、バハムートの封印によって均衡の崩れた《人》《神》《魔》の勢力争いが過熱する。竜に変身するヒロイン、ニーナ・ドランゴが果たす運命とは……?

 

アニメイズム(MBS、TBS、CBC、BS-TBS)、サガテレビ、AT-Xにて放送中

 

© Cygames/MAPPA/神撃のバハムート VIRGIN SOUL

  • 1

この記事と同じトピックを探す

関連記事

編集部おすすめ

アクセスランキング

  • デイリー
  • ウィークリー
  • トータル