巨大浮遊惑星の接近で地球が壊滅!?/ヒストリーチャンネル

文=宇佐和通

太陽系を彷徨う浮遊天体が迫る

浮遊惑星(Rogue Planet)という天体が存在することをご存じだろうか。Rogue=ならず者という名前の通り、なかなか厄介だ。太陽系内の惑星と同じかそれ以上の質量があるが、そもそも生まれた恒星系(複数の恒星が重力で結び付きながらお互いに公転している仕組み)から離れた状態にある。太陽系の惑星である地球が何らかの理由ではじき出され、宇宙空間を漂っているようなものだ。一説によれば、宇宙空間を漂う浮遊惑星の数は、銀河系内に限っていっても数千億個はあるという。

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ヒストリーチャンネルで放送される「人類滅亡の日#3 浮遊惑星の衝突」では、海王星ほどのサイズ(地球の約17倍)で、土星に似た環(この部分は隕石や巨大な氷塊が集まったものだ)を持つ浮遊惑星が地球に向かって来るというシナリオが忠実に再現されている。

地球消滅の始まりの光景は、息を呑むほど美しい。月をバックに、土星にそっくりな環を持つ巨大な惑星のシルエットが浮かび上がる。しかし、すでに凶悪なカウントダウンを止めることはできない。浮遊惑星が目視できるようになってから地球がなくなるまで、わずか4時間しかないのだ。

最初の兆候は、テレビが映らなくなることだ。地球の17倍の質量を持つ浮遊惑星の引力は、地球の周回軌道上にある通信衛星をいとも簡単に引き寄せ、機能を停止させる。車や航空機のGPSがまったく役に立たなくなり、交通網がマヒする。

そうしている間に浮遊惑星は夜空でどんどん大きくなり、強大な引力の作用で月が引き裂かれる。この時点で地球消滅まで2時間を切っている。

やがて、広い地域に、環を形成する無数の隕石が降り注ぐ。大きさがスクールバスくらいの隕石が、次から次へと降って来る。この時点で大多数の人類がいなくなる。

運よく地下シェルターに入ることができて、そのシェルターが運よく隕石の直撃を免れたとしても、すでに引力の影響で地核のあちこちが剥がれ、地表に裂け目ができ、そこからマグマが噴出する。浮遊惑星の引力が、地球の中身である溶岩をも吸い出してしまうのだ。

ごく普通の場所でもそうなのだから、火山はたまらない。環太平洋火山帯のすべての火山が大噴火を起こし、猛烈な風で煽られた熱気がすべてを焼き尽くす。宇宙空間からは、地球は真っ赤でいびつな球体に見えるだろう。

終わりは静かだ。浮遊惑星の引力に引き寄せられ、耐えられなくなった地球はバラバラになる。そして、かつて地球だったかけらが環の一部となる。こうして地球は、文字通り浮遊惑星に吸収されてしまうのだ。

 

外惑星への人類移住計画

人類がこの悲劇を回避する方法はただひとつしかない。他の惑星への移住だ。実際、アメリカでは1950年から60年代にかけて〝オリオン計画〟という原子力推進宇宙船開発プロジェクトが進められていた。つまりこの時代から、何かとてつもなく大きなものが地球に激突するというシナリオは想定されていたのだ。

TRAPPIST-1_Planet1

2017年2月23日、地球から約39光年離れた恒星〝トラピスト1〟の周囲に、地球と同じくらいの大きさと質量の惑星を7つ発見した事実をNASAが発表した。7つの惑星にはいずれも液体の状態で水があり、しかもそのうち3つは、生命体の存在に適した環境であると考えられる。このニュースは、朗報としてとらえていいのではないだろうか。テクノロジーの発達で、39光年という距離もある程度まで克服できるだろう。

宇宙からの脅威は、エイリアンの襲来だけではない。地球に接近しうる巨大浮遊惑星は、銀河系内だけでも数千億個あるのだ。

ひょっとしたら、地球が誕生以来46億年もの間存在しつづけてきたことが奇跡以外の何物でもないのかもしれない。

 

(「ムー」2017年5月号より抜粋)

 

「人類滅亡の日 #3『浮遊惑星の衝突』」は、4月18日(火)22:00~ほか、CS放送「ヒストリーチャンネル」にて放送。

 

文=宇佐和通

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