日本神話と聖書は「3」でつながる――神道のゲマトリア数秘術への序論

文=久保有政

「みはしら」の意味するもの

日本神道にも、またユダヤ教/キリスト教といった『聖書』宗教にも、それぞれに「大切にされた数字」がある。それらの数字を見ていくと、日本神道と聖書宗教の深いつながりが、はっきり見えてくる。

まず、数字の3に着目してみる。

日本神道では「3」は聖なる数字である。たとえば神道に「造化三神」という信仰がある。

古事記に記された最初に出現した神──アメノミナカヌシ、タカミムスヒ、カミムスヒの三神は、造化三神と呼ばれ(造化は創造の意)、天地を造り成した神とされている。

一方、出雲大社の「心御柱」(神が宿るという本殿中央の最も神聖な柱)は、3本の木を束ねた「3本柱」だった。神道にはそのほか、3本1束の柱を立てて神聖視していることが多い。神を表す数として3が使われている。

神道では神を数える際、「一柱、二柱、三柱……」と、神の数を「柱」で表す。柱は神の象徴である。古代イスラエルでも、柱は神の象徴だった。古代イスラエル人は石の柱を立てたり、木の柱を立てたりして、神を礼拝した。

京都・太秦の蚕の社にある三柱鳥居。
京都・太秦の蚕の社にある三柱鳥居。

京都・太秦に秦氏が建てた神社「蚕の社」には、有名な「三柱鳥居」がある。この鳥居は入り口ではなく、上から見ると三角形のオブジェであり、境内の中に設置されて、神道の信仰を表している。

なぜ三角形なのか。

蚕の社のような「三柱鳥居」は今日、全国に少なくとも7か所ほどみられ、奈良の大神神社の参道にある大神教会(神道系の教会)の境内にもある。その説明書によれば、この三柱鳥居は、造化三神の「三位一体」を表すものだという。また古代神道が信じた唯一の神「大元霊神」(おおもとの霊なる神)の3つの神理を表すものだという。

 

造化三神と三位一体

キリスト教では「三位一体なる神」が信じられている。この三位一体神とは、御父(神ヤハウェ)、御子(イエス)、御霊(聖霊)の三者が、互いに区別されるものの、存在と本質をひとつにした神であり、唯一の神であるという信仰だ。

キリスト教における絶対三神。
キリスト教における絶対三神。

先に述べた神道の造化三神も、これとまったく同じ考えである。

造化三神の最初の神「アメノミナカヌシ」は天御中主神と書き、「天の真ん中におられる主なる神」の意味である。これはキリスト教でいう御父(天の父なる神ヤハウェ)と同様である。二番目の「タカミムスヒ」は、元伊勢・籠神社の海部穀定宮司の著書によれば、アメノミナカヌシの「息子」である。神道の古文書にそう書かれているという。だからタカミムスヒは、キリスト教では、「神のひとり子イエス」に相当する。三番目の「カミムスヒ」は、神道事典には、地上の信者に息づく神だと書かれている。とすれば、それはキリスト教では、御霊(聖霊)に相当する。聖霊も、地上の信者に息づく霊なのである。

このように神道の造化三神の教えは、キリスト教の三位一体神信仰を神道的な言葉で言ったものである。その背景には、古代日本に来て神道を広めた古代東方キリスト教徒「秦氏一族」の影響があった。

秦氏は京都太秦の蚕の社に、上からみると三角形の鳥居「三柱鳥居」をつくった。三角形で造化三神、また三位一体神を表したのである。

 

(「ムー」2017年5月号「神道のゲマトリア数秘術」特集より抜粋)

文=久保有政

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