CIAによる禁断の人体実験! マインドコントロール実験「MKウルトラ計画」の恐怖

文=並木伸一郎

数万人もの市民が実験台に

ところが――ほころびは突然、やってきた。

1977年8月2日、「ニューヨーク・タイムズ」紙が「MKウルトラ計画」の実態をスクープしたのだ。当時のCIA長官スタンフィールド・ターナーも、政府の合同聴聞会で「MKウルトラ計画」が存在しているという事実を認めざるをえなくなった。

それによると、アメリカ全体で80か所の施設に属する185名の民間の研究者がこのプロジェクトに加わっており、44の総合大学、15の研究基金、12の病院、3つの刑務所が研究の実施場所になっていた。投入された資金も莫大だが、なにより数万人もの市民が実験台になったというのである!

実際、人体実験の対象にされたと主張する被害者約250人が集団訴訟を起こし、キャメロン博士は実験の張本人として激しく糾弾された。また、1995年3月15日に行われた大統領直属の放射線人体実験に関する諮問委員会でも、キャメロン博士とグリーン博士の非道な実験が非難されている。

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この諮問委員会では、ふたりの被験者が証言台に立っているので、その一部を紹介してみたい。

――クリスティーナ・デニコラ(実験当時4歳)

「私は1966年から1976年にかけて、グリーン博士が行った放射線実験およびマインド・コントロールと薬物実験の被験者でした。グリーン博士は1970年に私に放射線実験をはじめて、1972年には首、喉、胸に、1975年には胸と子宮に集中的に放射されました。

毎回、めまいと吐き気をもよおし、嘔吐していました。これらの実験はすべて、アリゾナ州トゥーソンで、マインド・コントロール技術と薬物を使用して行われていました。

これは数えきれないほどの虐待を簡単に述べたに過ぎません。放射線だけではなく、マインド・コントロールと薬物実験もあったことを皆さんの心に留めておいていただきたいと思います」

――クラウディア・ミュレン(実験当時7歳)

「私は1957年から1984年まで、アメリカ政府のゲームに利用されていました。その最終目的は、マインド・コントロールと完璧なスパイを作りだすことでした。化学薬品、放射線、薬物、催眠術、電気ショック、水槽内での隔離、断眠実験、洗脳、そして言葉、身体、感情による嫌がらせや性的な嫌がらせ、ありとあらゆるものを受けてきました。

私と同じ状況の子供はそれこそ数え切れないほど存在していましたが、今まで何も救済が行われていません」

繰り返すが、こうした非人道的な人体実験が、数万人の市民を対象に行われていたというのである。

「ウルトラMK計画」は、まさに国家による悪魔の実験計画としかいいようがない。それだけに徹底的な究明が望まれるところだが、残念ながら1973年に、CIA元長官リチャード・ヘルムズが関連書類をほとんど破棄してしまったという。そのため、計画の全貌は今もなお闇に包まれたままだ。

はっきりしているのは、実態が明らかではない数々の団体からも、莫大な資金が拠出されていたということである。そこからも、この計画の背後にある闇が、国家規模を超えて暗く、深く広がっていると推測されるのだ。

 

(「ムー」2017年5月号「CIAのX-ファイル」特集より抜粋)

文=並木伸一郎

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