伝説のマンテ族か、フローレス原人か? スマトラ島に小人族出現!!

文=並木伸一郎

草むらから飛び出してきた!

今年の3月22日、YouTubeにアップされた1本の映像が世界的な話題となっている。

インドネシアのスマトラ島北部バンダ・アチェという森林地帯で撮影されたという映像だが、偶然にも“伝説の小人”を捉えてしまったのだ。

問題の映像は、4~5名のバイカーたちが、同森林地帯のダートロードを疾走するシーンから始まる。先頭を走っていたバイカーが何かに驚き、転倒してしまう。直後、前方の茂みから、小型のヒト型生物が飛び出してくるのだ。その“小人”は逃げるように走り去ってしまう。映像を撮影していたバイカーが後を追っていくが、高く伸びた草が生い茂り、どこにいるのか捜せないでいる。その間、バイカーのひとりが、根元から引き抜かれたような木の棒を発見したが、肝心の小人の姿は発見できなかった。

映像はここで終わっている。

映っていた小人だが、身長は約1メートル。手に身の丈ほどありそうな長い棒を持っていることがわかる。また、走り去る姿を見ると、臀部が露わになっていることから、服の類いは着ていないようだ。

この映像が公開されるや、わずか1週間の間に500万回も再生されるほど世界的に注目を集め、各地のマスメディアで報じられた。

同時に小人の正体についても、さまざまな憶測も飛び交った。中でも最も有力だと考えられているのが、かつてスマトラ島に存在したピグミー「マンテ族」説である。

マンテ族とは、身長1メートルほどの小柄な体躯だが、筋肉質で狩りに長けていたといわれる伝説の部族で、17世紀にふたりのマンテ族が捕えられ、オスマントルコ帝国の皇帝に献上された、という記録も残っている。

が、現在も人類学者たちは、マンテ族の存在自体を疑問視している。仮に、今回映像に映っていた小人がマンテ族だとすれば、学術的にも驚くべき重要な発見になるだろう。

また、世界的に話題になれば、当然ながら懐疑的な意見もある。出現現場であるバンダ・アチェには、その数30万人ともいわれるガヨ族をはじめ、多くの原住民が山岳部や沿岸部に生息するといわれている。懐疑派の人々は、映像の小人は、その「原住民のひとりでは?」というのだが、確認されたわけではない。

では、インドネシア国内ではどう思われているのか。実は、同国内ではマンテ族にリンクする「ホモ・フローレシエンシス説」が浮上している。

ホモ・フローレシエンシスは、2003年にインドネシア南部のフローレス島で考古学者たちが発見した、身長約90センチという「小さなホビットのような古代の原人」で、5000年前に生息していたと考えられている。2014年には同島中央部のソア盆地に位置するマタ・メンゲのリャン・ブア洞窟から顎骨の破片、6本の歯、頭蓋骨の小さな破片が発見され、その存在が確実視されている。

次いで2016年、日本で開発されたハイテク機器で頭蓋骨を分析したフランス自然史博物館の科学者アントワーヌ・バルゾーらも「ホモ・フローレシエンシスは、ホモ・サピエンスと異なる種だ」という結果を報告している。

もしかすると、伝説の小人「マンテ族」こそ、このフローレス原人の末裔で現代まで生きながらえてきた種なのではないだろうか……?

ホモ・フローレシエンシスの頭骨。
ホモ・フローレシエンシスの頭骨。

 

(「ムー」2017年6月号より抜粋)

文=並木伸一郎

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