天才芸人が守護霊となった劇場の噂 島田秀平の芸能界都市伝説

文=島田秀平 構成=須永貴子

ソニー芸人大躍進の理由

「ムー」本誌で都市伝説コラムを連載中の島田秀平さんが、芸能界のジンクスを紹介! 最近、芸能界を席巻する「ソニー・ミュージックアーティスツ」所属芸人を育てたのは、ある天才芸人の霊だった……?

 

「びーちぶ」の守護霊

「R-1ぐらんぷり 2017」でアキラ100%さんが優勝したことで、前年のハリウッドザコシショウさんに続き、ソニー・ミュージックアーティスツ(SMA)に所属する芸人がこの大会を2連覇しました。

もともとはミュージシャンの事務所だったSMAが、お笑い芸人を育成する機関「SMA NEET Project」を立ち上げたのは2004年。わずか13年で、R-1ぐらんぷりのチャンピオンを2年連続で輩出したのはすごいですよね。

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キングオブコントの決勝に残って一躍売れっ子芸人になったバイきんぐさんもSMA所属です。そのほかの芸人では、マツモトクラブさん、キャプテン渡辺さん、だーりんずさん、コウメ太夫さん、AMEMIYAさんらがテレビ視聴者にも知られていると思います。

バイきんぐ。
バイきんぐ。

今、一番勢いがある事務所といえるSMAの躍進は、夭折してしまったある天才芸人の霊が守っているからではないか……? とまことしやかに囁かれているのをご存じですか?

「SMA NEET Project」の門を叩くのは、初めて芸人を志す人から、ほかの事務所をクビになった人まで経歴も年齢もさまざまです。もう後がない芸人にとっての駆け込み寺であり、そこにはお互いに切磋琢磨できる環境が整っているんだそうです。

その一例が、池袋駅から有楽町線で2駅の千川にある、SMAのお笑い部門専用のライブハウスです。2007年にオープンしたこの劇場は、2006年にくも膜下出血で急逝した芸人・村田渚さんの遺志を継いでいこうという思いを込めて、Beach=渚、V=Village(村=村田)ということで、「Beach V(びーちぶ)」と名づけられました。

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村田渚さんはもともとホリプロの芸人さんで、1989年から10年間、フォークダンスDE成子坂というコンビで活動後、ピン芸人を経て、2005年に新コンビ「鼻エンジン」でSMAに移籍して、さあこれからだというところで突然亡くなってしまったんです。

フォークダンスDE成子坂は「天才的なコンビ」と評価がものすごく高くて、あのダウンタウンさんも一目を置いていた。「ダウンタウンのごっつええ感じ」の収録前に、「こういうやつ(村田渚)が後輩にいるけど負けへんぞ」と発言してから収録に臨んだことがあるくらい。渚さんのツッコミは天才的で、同世代のくりぃむしちゅーの上田さんに「渚には勝てない」といわせたほどでした。

とにかくお笑いが大好きな人で、人柄も温厚、後輩の面倒見もよかったので、ものすごく人望が厚かったんです。だから、SMAは千川の劇場の名前を渚さんにちなんでつけたそうです。

僕自身、ホリプロに入りたいと思ったのは、フォークダンスDE成小坂さんが所属していたから。「GAHAHAキング爆笑王決定戦」や「タモリのボキャブラ天国」、「爆笑オンエアバトル」などで観るフォークダンスDE成子坂のネタは本当に面白くて人気もすごかったです。

「Beach V」では今でも、だれもいない場所から物音がするらしいのですが、芸人やスタッフは怖がるどころか「渚さんはお笑いが大好きな人だったから、今も劇場で見守ってくれているんだろうね」と懐かしんでいるそうです。

ホリプロの事務所の地下にある、芸人が単独ライブの稽古をする部屋で、渚さんのような人影を目撃したという噂もあります。そう考えると、劇場や会社にはその集団や場所を見守りつづけてくれる人にちなんだ名前をつけて、日々感謝すると、その人が守り神になってくれるのかもしれません。

 

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(「ムー」2017年7月号より抜粋)

文=島田秀平 構成=須永貴子

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