超古代人はなぜ1000年も生きたのか? 失われた長寿の秘密

文=ケイ・ミズモリ

大洪水が地球を激変させた!?

この宇宙と生命のすべては、『旧約聖書』「創世記」に記されているように、神によって創造されたと信じる人々は世界中にいる。科学技術が発展した21世紀になっても、そんな創造論者は決して絶えることはない。

われわれは長い歴史を通じて、生命に関わるさまざまな謎を科学的に解明してきた。そのため創造論はもはや時代遅れであり、受け入れられるものではなくなっているのが現実というものだろう。

だが――。

『聖書』の記述の中に、史実に基づいているのではないかと思えるような検討事項がしばしば見られることも、まぎれもない事実である。

そんな論題のひとつが、かつての地球には生物にとってきわめて暮らしやすい環境が存在し、寿命もはるかに長かったとするものである。本稿ではその説を、さまざまな角度から検証していくことにしたい。

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『聖書』によれば、地球の創世記、神は地上に留まる水と大空の上に留まる水を作ったという。地上に留まる水は海だとわかるが、大空の上に留まる水とは何なのだろうか。じつはそれは、かつて上空に存在したとされる厚い水蒸気層(氷の層)を指している。その温室効果で、地球全体が温暖だったのだ。

ところが、今から6000年から1万数千年前(諸説ある)、地上に創造した人間たちが堕落していくのを見た神は、すべてを滅ぼす決意をした。

神は40日40夜にわたって地上に雨を降らせ、大洪水を起こす。かくして地上の生物は一掃された。巨大な箱舟に乗ったノアの家族と、つがいの動物たちを除いて――。

これが、いわゆる「ノアの箱舟」の物語だ。

このとき大洪水のもとになったのが、大空に留まる水だった。それが一挙に雨となって落下したのである。その結果、陸地は大幅に減り、おそらくは地下からあふれでたであろう水も加わって、現在のような水の惑星が生まれた。

こうした洪水伝説は世界中に存在するが、もしもノアの大洪水が実際に起こったと仮定すると、その後の地上における生物の生活環境は、劇的に悪化したと考えられる。まさに、地上の楽園の崩壊である。

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太陽光の被曝が寿命を縮めた?

楽園の崩壊とは、具体的にどういうことなのか。

それは地上の生物が突然、有害な放射線を浴びるようになったということである。ここでいう放射線とは人工のものではなく、太陽から放出されるさまざまな波長の電磁波や、宇宙空間からくる高エネルギーの宇宙線などをいう。

われわれは長生きをするために、食事や運動などを含め、さまざまな健康法を編みだしてきた。しかしいずれも、どんぐりの背比べだ。どんな健康法を実践しても、150年すら生きることができないからである。

なぜそんなことを書くのかといえば、地上に降りそそぐ放射線の量や大気の状態を適切に調整することさえできれば、人類は150年よりもはるかに長く、しかも健康的に生きられる可能性があるからだ。

われわれを含めた地上の生物にとって、太陽がもたらす光という電磁波は、栄養であり生命の源でもある。だが、すべてが栄養になるわけではない。そこには適切なレベルというものがある。そのためのフィルターとして、ありがたいことに地球には磁気圏(ヴァン・アレン帯)や大気が存在し、かつ有効に機能してきた。

磁気圏は、棒磁石の周囲に形成される磁力線(磁場)のように地球を覆い、有害な太陽風や宇宙線からわれわれを守ってくれている。これは自然のサイクルに左右されており、大洪水の影響はほとんど考えられないが、現在の地磁気0.24~0.66ガウス程度と比較すれば、当時はそれよりもはるかに高い1~5ガウス程度で厚く地球が保護されていたと考えられている。

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一方、大気に関しては話が違う。こちらは大洪水によって、大きく変化したはずだ。

上空の水蒸気層が雨になって消えてしまったことにより、地球はかつて以上に有害な電磁波や宇宙線といった放射線に曝されるようになった。それに加えて温室効果が失われたため、極地の寒冷化や季節による寒暖差が激しくなっていった。これがヒトを含めた生物の健康に、影響を与えないはずがない。

そもそもどんなものでも、それを長期間保存するには、温度差や湿度差など環境の変化をできるだけ少なく抑えることが肝心となる。これは生物の寿命でも同じだ。たとえば長寿で知られるカメは、厚く丈夫な甲羅というフィルターで有害な放射線から身を守り、しかも土の中に潜って体温変化を最小限にとどめることができる。

また、ミル貝やハマグリ、ウニなどは数百年も生きられるが、やはり殻を持ち、温度差が少なくてフィルター効果の高い海中で暮らしている。同様に深海や洞窟などの暗闇で暮らす生物にも、長寿の傾向が見られる。

だが、ヒトはそうではない。

厚い甲羅を持つこともなく、地中や水中で暮らすこともなく、放射線や外部環境の変化に対してはまるで無防備である。

興味深い数字がある。

『聖書』によると、大洪水以前の登場人物の年齢は、アダムが930歳、セツは912歳、エノスは905歳、カイナンは910歳、マハラレルは895歳、ヤレドは962歳、エノクは神にとられたので365歳、メトセラは969歳、レメクは777歳、そしてノアは950歳とされている。

だが、大洪水後に生まれたセムは602歳、アルパクサデは438歳、シラは433歳、エベルは464歳、ペレグは239歳、アブラハムは175歳、ヤコブは147歳と、急速に寿命を短くしているのである。

おそらくこれは、大洪水の際に地球が厚い水蒸気層を失ってしまったせいであり、その結果、われわれの寿命は10分の1以下に短縮されてしまったということなのだろう。

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(「ムー」2017年10月号特別企画「失われた超古代人『長寿』の秘密」より抜粋)

文=ケイ・ミズモリ

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