霊はいないが人間以上の存在はある! 漫画家・魔夜峰央の不思議体験(前編)

文=いわたみどり

祖父を襲った妖怪「すねこすり」

 

もともと妖怪や怪奇ものや悪魔の世界に興味がありました。モチーフとして格好いいというのもあったんですけど、何となく子供のころから周囲の人から不思議な話を聞いていたという影響が多分にあると思いますね。

 

母の実家が真言宗のお寺で、祖母からも火の玉を見たとか、だれもいない廊下から足音が響いたなどの話もよく聞かされていました。

そんな中で妖怪にまつわるエピソードがいくつかありました。

 

私の名付け親である祖父がまだ若いころ、自転車に乗って道を走っていると、何の前触れもなくいきなり体が動かなくなったそうです。

 

海軍出身の非常に大柄で頑健な人でしたが、その彼が力いっぱいペダルを漕ごうとするも、金縛りに遭ったかのようにどうにもこうにも動けない。ふと自分の足元を見ると、よくは見えないけれど何やらもやもやしたものが足にまとわりついているのを感じました。

 

そこで思いきり蹴りとばすような勢いで足を振ってみると、イヌのようなネコのような得体の知れない奇妙な生き物が「ギャン!」と叫んで消えていったというのです。直後、体が軽くなって動けるようになったので、あわてて自転車に飛びのって逃げたといっていました。

 

あれはいったい何だったんだろうと思い、後で調べてみたら、「すねこすり」という妖怪だということがわかったんです。

 

すねこすりに足をこすられた人は歩きづらくなる。ただそれだけの妖怪なんですけどね(笑)。

 

こういう話を聞かされて育ったせいか、「目に見えない世界」に対してふつうに受けいれることができる素地が自然とできあがっていたと思います。

 

だからといって私自身が幽霊を見たとか、そういうことではありません。もっと高い次元の「人間以上の存在」があると感じています。時間も空間も距離も超越した存在で、それを人は守護霊とか神と呼ぶのかもしれませんけど……。

 

 

 

*後編は2017年9月30日公開予定です。

 

 

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魔夜峰央(まやみねお)

 

漫画家。1953年、新潟生まれ。1973年『デラックスマーガレット』(集英社)でデビュー。1978年「ラシャーヌ!」を複数の漫画雑誌(白泉社)に不定期連載開始。デビュー以来、オカルト・ホラーやミステリー調のシリアス路線が作風の主体であったが、同作からギャグ路線に変更。同年「パタリロ!」を『花とゆめ』(白泉社)で連載開始。アニメ化されヒット作となる。近年は復刻出版された『翔んで埼玉』(宝島社)や、アスタロトシリーズを集めた『アスタロト・クロニクル』(小学館クリエイティブ)などが好評を得ている。

 

(ムー2017年10月号より抜粋)

 

 

 

文=いわたみどり

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