オーラメンタリスト美樹 青龍の奇跡

文=岩崎紀夫

本殿の軒に現れた対なす龍神

 

気がつくとあたりの喧騒が遠くなり、人気が消えた。美樹と取材班のほか、境内には、だれひとりいない。社務所にいるはずの神職の姿もない。美樹は静かに目を閉じ、手を合わせる。瞬間、木々がざわめき、突風が吹きぬけた。いる。姿は見えぬが、確かに、社殿の前に気配を感じる。神の臨在だ。

 

永遠とは、このことだ。実際は、ほんの数秒だったのかもしれないが、あたかも亜空間に迷いこんだかのように時が流れる。美樹は静かに息を吐くと、本殿の軒を指差した。見れば、そこに2匹の龍の姿が描かれている。

 

「常に龍は陰陽、2匹で現れます。あのときも、そうでした。初めは人間の姿をしていたのですが、彼らは注連縄のように絡み合いながら、ついには龍神となったのです」

 

 

夢に現れた龍神の化身と奇跡

 

今から10年ほど前のこと。美樹の夢に、ふたりの神主が現れた。ひとりはあごひげを生やして、水色の服を着て、黒い帽子に木靴を履いていた。もうひとりは緑色の服装で、口ひげを蓄えており、鋭い目つきと佇まいから、かなり霊格が高いように感じたという。

 

美樹に秘密の預言を伝えると、ふたりは一体となり、巨大な白い龍神と化した。龍神は美樹を背に乗せ、疾風怒涛のごとく天空に舞い上がり、気がつくと、栃木県のとある小さな山に降臨した。

 

中腹には赤い朱塗りの社殿が建っている。地元では磯山弁財天とも呼ばれている神仏混淆の神社で、弁財天が祀られている。ふと見ると、赤い太鼓橋の上が光っており、そこに白い蛇がいた。おそらく白龍の化身であろう。

 

「われを祀れ」

 

美樹の頭の中に聞き覚えのある声が響いた。以前、白蛇は美樹の夢に出てきたことがあったのだ。

 

翌朝、いてもたってもいられなくなった美樹は父親とともに磯山弁財天に向かった。まさに、デジャ・ヴュさながらの光景に霊示を確信した美樹は、すぐさま祠を購入。約束通りに自宅で白蛇を祀ることにした。

 

その夜、事件が起こった。家族が寝静まったころ、突如、家中に轟音が響き渡った。何事かと家人が起きてみると、なんと祠の奥板に白蛇が浮かび上がっていたのだ。購入したときにはなかった染みだ。御魂が宿ったことは、だれの目にも明らかだった。

 

奇跡は続く。祠を設置するため、庭の一角を掘り起こすと、そこから奇妙な模様のある石が出てきた。どうも蛇の化石のようだ。祠が完成し、記念写真を撮影したところ、そこには虹色の光が写り込んだ。中国において虹は天空の蛇である。さらに、庭の樹木にも異変が起こった。時折、葉っぱに蛇のような模様が浮き出るのだ。もらったミカンの皮に白蛇が刻まれていたこともある。

庭の木から落ちた枯葉には、蛇のような模様が浮き出ている。
庭の木から落ちた枯葉には、蛇のような模様が浮き出ている。
もらったミカンの皮に刻まれた白蛇。
もらったミカンの皮に刻まれた白蛇。

 

すべては白蛇神からの啓示である。美樹によれば、白い蛇の姿をしているが、その実体は龍神、色は異なるが、風水でいうところの四神のひとつ、青龍であるという。白蛇を祀ることで、青龍は美樹の守護神となったのだ。

 

かつて美樹は奈良のキトラ古墳に描かれた朱雀の神霊に導かれて儀式を行い、そのしるしとして赤い石を授かったことがある。いうまでもなく朱雀も四神である。青龍は石ではなく、白蛇の姿をもってしるしとしているのだろうか。古来、白蛇は神の使いであり、財運をもたらすと信じられてきた。

 

美樹はいう。青龍を祀る者は、だれでも幸運を手にする。ひとりでも多くの人が龍神と出会えるよう、美樹は護符を作った。朱雀の護符と同様、その姿を描いた純金カードである。手にした人が幸福になるよう、一枚一枚に美樹の祈りが込められている。

 

201711_miki_3

 

 

(「ムー」11月号より抜粋)

文=岩崎紀夫

  • 1

関連商品

2017年11月号

2017年11月号

定価:870円
発行:学研プラス
発売日:2017/10/07

この記事と同じトピックを探す

関連記事

編集部おすすめ

アクセスランキング

  • デイリー
  • ウィークリー
  • トータル