「一世一元」の元号になった理由は? 「天皇と皇室の謎と真実」をローソンで

「明治」の元号はくじで決定?

 

平成×年、あるいは昭和○年……当たり前のように使っている紀年法が元号だ。かつては東アジアの国々でも広く用いられていたが、いま、元号を使用している国は日本しかない。

しかも「明治、大正、昭和、平成」は、日本の元号の歴史のなかでも意味合いが違っている。一代の天皇の間はひとつの元号という「一世一元」の制度が、明治元年(慶応4年/1868)になって敷かれたからだ。

このとき明治天皇は宮中の賢所でクジを引き、そのなかから「明治」を引いたのだという。

 

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実はそれまで元号は、祥瑞や災い、将軍や天皇の代替わりなど、世の中の動きに応じて比較的頻繁に変えられてきた。それでは暦として使い勝手が悪いわけだが、「一世一元」にしたことにはもっと深い理由があった。

在位の間、元号はひとつで通され、崩御後はそのまま天皇の諡号となる。ひとつの時代がそのままひとりの天皇とリンクするわけだ。極論すれば、元号を諡号とする天皇は、その時代の支配者である、ということだ。

国民は元号を使うことで、共通の天皇の治世を生きていることを常に確認させられるわけである。明治政府の狙いは、そこにあったのだ。

 

閣議決定により発表される新元号

 

この元号だが、戦前は旧『皇室典範』で規定されていた。ところが戦後、それが廃止され、「昭和」は存在の根拠を失ってしまう。

政府は昭和21(1946)年、新たな元号法案を閣議決定したものの、GHQ(連合国総司令部)の拒否にあい、頓挫。以後、法的根拠のないまま「昭和」は使われつづける。

やがて元号の法制化を求める運動が盛んになると、昭和54(1979)6月12日、元号法が成立した。内容は、戦前の「一世一元」と変わりないものであり、また、試験や公務員に対する使用の強制といった問題が発生したこともあって、多くの論争を招いた。

 

ところで気になるのは、平成に続く次の元号だろう。報道によれば新元号は2018年中に発表されるという。

 

実は、元号を決める手順については、法的な根拠はない。「平成」のときには、漢文学や国文学の有識者が候補を出し、内閣官房長官が選定したうえで閣議で協議。さらに衆参両院議長の意見を聞いたうえで、最終的に閣議決定している。

 

首相が学者ら数人に2〜5個ずつ新元号案を考えるよう要請。首相の指示で数個に絞る。

官房長官が有識者の懇談会を開き、結果を首相に報告。

首相が衆参両院の議長、副議長に意見を聴く。全閣僚会議で協議。

閣議で新元号を決定。

 

選定にあたっては、よい意味をもつことや読み書きしやすいこと、過去に使用例がないこと、漢字二文字であることといった条件もある。混同しないように「明治・大正・昭和・平成」と同じ漢字は使わないことと、ローマ字表記の頭文字が「M・T・S・H」に重ならないこともポイントになるだろう。

 

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