天空神へのメッセージか? アラビアの巨大地上絵カイトサイトの謎

文=宇佐和通 写真=Google Inc.

サウジアラビアに広がる地上絵

7000年前に作られた不思議な構造が、サウジアラビアの砂漠に広がっている。全体像は空からしか確認できない。

だれが、いつ、何のために作ったものなのか? グーグルアースを使った新たな検証により、発見当時よりも規模がはるかに大きいことが明らかになった。

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空からしか――今回の場合は、衛星からしかといったほうがいいだろう――確認できない大規模な構造が宿していた機能は、具体的には何だったのか?

問題の構造は、サウジアラビア西部に位置するハラット・カイバールという地域にある。そもそもは“ゲート”(門)という構造で注目を集めていた。現地の砂漠には、400ほどの大小の構造が点在している。

“ゲート”をはじめとする“カイト”(凧)、“ペンダント”、“キーホール”(鍵穴)といった各構造は空から見ないと形状がわからない。ナスカの地上絵と同じだ。上空からの画像と、地上でのデータ収集を組み合わせる形での立体的検証が急務となっていたが、ようやくそれが始まったことになる。

現時点では専門家による調査も限られているが、サウジアラビア政府から例外的に許可を得たオーストラリア人考古学者が、構造を上空から観察し、構造の各部分の鮮明な写真を撮影することに成功した。

西オーストラリア大学の考古学教授デビッド・ケネディ博士は、地元のベドウィン族が“古き人たちの作品”と呼ぶこの構造に対する検証を20年以上行ってきた人物だ。ケネディ博士は、サウジアラビアでは初となるヘリコプターを使った上空からの観察を行い、それに関して「ライブ・サイエンス」誌でレポートしている。

200以上にわたる構造を15時間にわたって上空から観察し、6000枚の画像データを集めたケネディ博士が『ライブ・サイエンス』誌に寄せた文章を見てみよう。

“2013年2月のランドサット8衛星の打ち上げを機に、グーグルアースによる高解像度画像が爆発的に増加した。これから先も、有益な考古学的調査手法となっていくだろう。調査対象全域をシステマティックな形で分類し、かつ測量と描写もでき、構造の配置の詳細な地図を作成することができる”

arabiakitesite1-1構造は多くが溶岩ドームの上に作られており、中には全長500メートルを超えるものもある。溶岩流をかぶった構造も残っていることから考えると、何千年も前の噴火よりもさらに前に作られていたと考えたほうがよさそうだ。

玄武岩を積み上げて作った“車輪”という構造については、外敵を退けるための城壁だった可能性が指摘されているが、それにしてはあまりにも低く、積み方も雑で、見るからに脆い。精緻に積み上げられた城壁が長い年月を経て崩落した状態とも考えにくい。そうなれば、構造そのものに独自のメッセージが込められていた可能性を考えないわけにはいかないだろう。

また、地上絵といえば、ナスカ平原には、地上絵の他に“バンド・オブ・ホールズ”という、見るからに不思議な構造もある。ピスコ峡谷一帯に広がる、ちょうど人間がひとり入るくらいの穴が数千個も連なる構造だ。古代人はこの穴にかがり火を入れ、空に向かって何らかのメッセージを送っていたという説を唱える考古学者もいる。

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それが事実なら、空から見た時しかわからない中東の石積みも同様に、空からやってくる者に向けて作られたとはいえないだろうか。それが異星人なのか、古代の天空神なのかはわからない。

いずれにしても、古代の地球を高いところから見ていた存在へ向けられた強い意思が宿っているような気がしてならないのだ。

 

(ムー2018年2月号「知られざる古代遺跡アラビア・カイトサイトの謎」より抜粋)

文=宇佐和通
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