これだけ食べれば健康に! 完全栄養食の未来感 完全食01/グルメの錬金術師

文=川口友万

「完全栄養食」とは何か?

“完全栄養食品”という言葉に魅かれた。

ベースフード社のベースパスタは、1食で1日に必要な栄養の3分の1を取ることができるパスタである。実に未来的だ。

私が子供のころ、未来の食事は「錠剤や液体状の何かをチューブで飲む」ことになるはずだった。

実際の21世紀も、朝ごはんにゼリーを飲んだり、サプリメントとプロテインでダイエットをしたりはする。かなり未来なのだが、味気ない。

食事自体を否定するソイレント(粉末を溶いて飲むとそれだけで栄養は完全で食事は不要だという)などの商品もあるが、食事の楽しさを奪って、何が完全食品だ? と思う。

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ベースフード株式会社 代表取締役 橋本舜氏。

ベースフード社の橋本舜氏は、こう語る。

「ひとり暮らしでよく食べるといえば、ラーメン、ハンバーグ、牛丼あたりで、全部、栄養が足りないとか体に悪いといわれる食べ物です」

では、こうしたひとり暮らしのための食品で栄養が取れればいいのではないか? 完全栄養ラーメンや完全栄養牛丼があればいいんじゃないか?

「だから栄養バランスを良い主食をつくればいい」

――こうしたスタートしたのがベースフード社である。

同じ完全栄養食品でも、主食を完全栄養食品に変えるベースパスタの発想は興味深い。

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ベースパスタの調理。2分間ゆでればOK。ソースをかけて食べればいい。

 

IT系から独立起業

橋本氏は、もともとはIT企業で新規事業開発を行っていた。

「一般住宅の駐車場を時間貸しするシステムや自動運転車を使ったタクシー会社やバス会社を作るとか」の仕事をしていたのだが、そうしたある日、自分の食生活がひどいことに気がつく。

「実家にいるときは、それなりにうまいものを食べさせてもらうじゃないですか? それが社会人になって勤務先が渋谷で、拘束時間もそれなりに長いと自炊をしないわけですよ。99パーセント外食なんですが、まあひどい。朝は食パン食べて、昼はコンビニでパスタか何か買ってきて、夜は中華かカツカレーぐらい」

健康診断の数値も悪くなり、これはヤバいと自炊を始めようとしたが……

「スーパーで何買っていいかわからない。しいたけが体にいいのか、きゅうりは水と聞くけど本当なのか、わからないわけですよ」

食のことを考えると、改めて知らないことばかり。これから少子高齢化が進めば、医療費の増大はさらに深刻化していくだろう。健康寿命が非常に重要になってくる。

健康を維持するのは食、睡眠、運動の組み合わせだ。睡眠と運動はわかりやすい。時間と比例する。しかし食=栄養は相応の知識や調理の習慣がなければ難しい。

「栄養がボトルネックなんですよ。これを解決すれば、健康になるんじゃないか」

栄養バランスがどうこうみたいな細かな話を、全部すっ飛ばせるぐらいインパクトのある商品を作ることはできないか?

それが主食の完全栄養化であり、栄養が足りないものに栄養を足すというベースフードのコンセプトとなる。

 

月間1万食を売り上げ

現在、開発した商品は完全栄養パスタ『ベースパスタ』だ。2018年4月10日よりナチュラルローソンでの販売もスタートする。

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ベースパスタは1食税別500円。ソースは別売。

「米も玄米にすると栄養価が上がります。しかしオメガ3脂肪酸など足りない栄養素も多い。足りない分を足していけば、完全栄養になるはずです」

製粉した小麦粉はデンプンがほとんど。そこで全粒粉を使い、ヨウ素を補うために昆布を加え、オメガ3脂肪酸を足すためにチアシードを加えるなどして栄養価を調整、1食で厚生労働省の1日摂取基準の3分の1を満たすように作った。

「パスタはゆでると栄養がお湯に溶け出します。そこでビタミンなど水に溶ける栄養素は基準値より多く配合しています」

なぜパスタなのか? 別にラーメンでも米でも同じことができるのだが?

「ラーメンは家で作らないじゃないですか。インスタントラーメンも、毎日は食べないですよね。パスタならゆでてソースかけるだけで、だれでも簡単に作れてソースのバリエーションもたくさんあって、案外、飽きなくてきちんとした料理の感じがしますよね」

ベースパスタは栄養の“ベース”であり、毎日の生活の“ベース”になる食事を目指している。ベースパスタは1食360kcal以下で、ソースを加えても400~800kcalに収まる。

これはもしかしてダイエットにも使えるのではないか? 必要な栄養を取りながら少しづつ健康にやせるというのは、結構難しいが、ベースパスタなら可能な気がする。そこで2週間、ベースパスタで生活してみることにした。

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麺は太く、全粒粉。新そばのような、さわやかな後味がある。食べやすい。

(続く)

文=川口友万

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