ナスカの白色ミイラは異人類だった!? 古代の異人類文明の謎

文=並木伸一郎

ミイラはフェイクではなかった

2017年6月20日。アメリカ、コロラド州ルイビルで活動するミステリー探求サイト「ガイア」によって、南アメリカのペルー、ナスカ近郊にある地下墓地から発見されたという全身真っ白なミイラが公開された。

ミイラは「マリア」と名づけられ、その姿形から「地球に飛来した異星人ではないか?」と、大いに話題になった。それを記憶している読者も多いであろう(本誌2017年9月号既報)。

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膝を抱えた姿勢で発見された3本指のマリア。

最初にX線による検査を行ったペルーの放射線科医レイモンド・サラス・アルファラ博士によると、マリアはかつて生きていた“現実の肉体”であるという。つまり、マリアは厳密にいえばミイラではなく、内臓がすべて残った保存死体だったというのだ。確かに、X線画像には体の骨格や頭蓋骨の構造も写っており、マリアが“贋作物=フェイク”ではなく、実際の遺体だったことを如実に物語っている。

さらに行われたDNA検査でも、3本しかない手足の指は同じ物質・化学成分でできており、そのDNAが体のDNAとも一致していたことが判明した。これにより、マリアが各部位をつないで作られたものではないかという一部の説も否定された。

また、CTスキャンによる検査で、長頭の頭蓋骨は脳の状態からして人工的に矯正されたものではないことも確認された。手のひらが5.5センチ、3本の指の長さは17センチあり、腕は膝上まで届くほど長いことも判明している。さらに、下肢には脛骨と腓骨がはっきりと見え、前腕には橈骨や尺骨が存在することも歴然としていた。

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マリアを横からX線撮影したもの。

ちなみに、X線画像では体の骨格や頭蓋骨の構造のみならず、マリアの皮膚がいかにも骨格に沿ったごく自然なたるみを持ち、不自然なひきつれや亀裂箇所もいっさい見当たらないこともわかった。

つまり、皮膚が皮膚らしく全身を覆っていたことになり、その点も〝マリア=真正の遺体” であることの根拠として挙げられている。

骨の比率や形状も本物の骨格と一致し、骨格全体の形状が調和していて、アンバランスさが皆無だった点もしかりである。もし複数の遺体から骨をとって組み立てたら、必ずアンバランスな点が生じるものだという。

内臓もまた無傷だったことが、CTスキャンで明らかになっている。通常、ミイラのフェイクを作るとすれば内臓を取り除くはずで、そのまま放置すると遺体の腐敗を招きかねず、ミイラ化を妨げる恐れがあるからだ。

次いで、マリアの全身を覆っている白色の粉末。その成分がシリコン、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、鉄を含む珪藻土であることもわかった。珪藻土は、腐敗の原因となる寄生虫や有害な微生物を抑制する効果があるが、これまでミイラの保存に使われたことはなかったという。なぜマリアに珪藻土が使用されたのかは、現時点では謎となっている。

調査に加わったロシア、サンクトペテルブルク大学物理学部のコンスタンティン・コロトコフ教授をはじめとする研究チームは、このミイラが意図的にデフォルメされたものではなく、生前からこうした姿形だったと断言している。

実は筆者が気になっているのは、マリアの目だ。横に糸状になったこの人間離れした特徴を持つ目は、他のミイラには類例を見ない。だが唯一、日本の遮光器土偶の目と類似していて、興味をかきたてられるのだ。

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細い糸状の目が興味深い。

 

マリアのルーツはナスカの異人類文化か?

その後、さらに驚くべきことが判明した。カナダ、オンタリオ州のレイクヘッド大学「パレオDNA研究所」で、マリアの手と脳から採取されたサンプルが調査された結果、そのDNAが100パーセント、ヒトの、それも男性のものだと結論づけられたのである。“ヒト型異星人”説が根強かったマリアではあったが、なんと“ヒトだった”ことがわかったのである。

だが、マリアは外見だけでも人間とはかなり異質でかけ離れている。

筆者は考えるに、ヒトはヒトでも、マリアはホモ・サピエンスとは別種の“異人類”と呼ぶべき存在だったのではないだろうか――?

実はその仮説を裏づけるような、興味深い事実が判明した。放射性炭素年代測定により、マリアが西暦245年から410年の間に生存していたことがわかったのだ。その時期は、ちょうどあのナスカ文化が栄えていたころと重なっている。となると、生前のマリアはナスカ文化の人々と交流していた可能性がある。

この驚くべき事実こそ、かつてナスカにマリアのような「異人類」が存在し、ホモ・サピエンスとともに普通に生活していたことを裏づけることになる。

実際、ナスカの周辺では、3本指の人物壁画やペトログリフ(岩面陰刻)が多く確認されている。これらの事実は、約1800年前のナスカにおいて、異人類がごくあたりまえに暮らしていたことを示唆している。

そう、マリアのルーツは古代のナスカに華開いた「異人類文化」にあるかもしれないのだ!

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(ムー2018年4月号 総力特集「ナスカの地上絵と古代アメリカ異人類文明」より抜粋)

文=並木伸一郎

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