太古の隕石衝突から生まれた神秘の石テクタイトの謎

文=高橋桐矢

超古代の核戦争で生み出された!?

テクタイトは、長らく「謎」とされてきた鉱物です。小石状や塊状のものが、鉱物床ではなく地表や地中に散在しているため、上空からばらまかれた─つまり地球外に起源があると、古くから考えられてきました。

主成分は、地球上にありふれた二酸化ケイ素(天然ガラス)なのですが、とても緻密で、やはり天然ガラスであるオブシディアンに比べると極端に水分量が少なく、固いのが特徴です。

これは、火山活動で生成されるオブシディアンに比べて、ケタ違いの超高温・超高圧下で生成されていることを示唆しています。同じ特徴の物質としていちばん近いのが、砂漠の核実験場で、超高温下で一瞬にして溶けた砂が、ガラス化したものです。自然にはありえないほどの超高温・超高圧下で生成されたテクタイト――これを超古代文

明が核戦争で滅んだ際の産物だと考える研究者もいます。

テクタイトの生成については1960年代まで、ふたつの説が提唱されていました。ひとつは、月の火山から噴出した火山性ガラスであるという説。もうひとつは、地球に隕石が衝突した際に、超高温となった地表の岩石から生成されたという説です。しかし、1967年にアポロ11号が持ち帰った月の岩石を分析した結果、月起源説は否定されました。

1990年代には、テクタイトの成因となった隕石の衝突跡が次々と同定され、希ガスの同位体比研究からも、テクタイトが地球の岩石であることがわかりました。ただ、最新の研究では、テクタイトの成分中の0.01パーセント程度が、鉄隕石由来との報告もあります。テクタイトの研究は、現在進行形で日々進んでいるのです。

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3600万年前の隕石衝突からも生成

テクタイトは、隕石衝突時の衝撃で地球の岩石が超高温・超高圧にさらされ、一瞬で蒸発し、地上20〜40キロまで舞いあがったのち、急冷して固まり、地表にばらまかれたものです。

tekutaito2-1形は、円形、円錐形、球形、雫形のほか、鉄アレイのような形状や、直径1ミリ以下という極小のマイクロテクタイトも大

量に見つかっています。

このようにさまざまな形があるのは、隕石の衝突直後に、テクタイトが地表から成層圏まで飛散し、雨粒のように地表に降り注いだためです。テクタイトに見られる流理痕や気泡、溶解溝は、超高温のテクタイトが、空気中を飛散しながら急速に冷却・固化した証拠なのです。

地球をひとつの生命体と考えるなら、テクタイトは、隕石の衝突という予期せぬ大きな衝撃に見まわれた地球が、自己防衛をした結果、生みだされた鉱物ともいえるでしょう。

そのためテクタイトは、大きな変革の力、再生と回復の力を持つパワーストーンだと考えられています。

隕石の衝突は、動植物の絶滅や大きな気候変動を引き起こしました。たとえば、6500万年前、ユカタン半島に隕石が落下したことがきっかけで、恐竜が絶滅したといわれます。隕石孔付近でも、テクタイトが発見されています。

長い時間の中で、地球は何度も危機に瀕し、再生してきました。テクタイトは、そんな地球の記憶そのものです。

気が遠くなるような年月を経て生成される鉱物の力は、身につけていても気づかないほど繊細です。けれど、太古の隕石衝突によるダメージからの再生という記憶を持つテクタイトは、他の鉱物とは違う強烈なパワーを放っているのです。

月刊ムー2018年5月号
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(ムー2018年5月号 実用スペシャル「テクタイト・クリスタルの魔法」より抜粋)

文=高橋桐矢

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