夢は超意識からの贈り物――透視能力者エドガー・ケイシーの夢解釈

文=光田秀

失声症をきっかけにリーディングの道へ

エドガー・ケイシーは20世紀前半のアメリカで活躍した傑出した透視能力者である。

1877年3月18日にアメリカのケンタッキー州に農家の長男として生まれた。亡くなったのは1945年1月3日であるから、それほど昔の人ではない。

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エドガー・ケイシー。

幼少のころから霊能に溢れ、日常的にオーラを見、死者の霊と会話したり、さらには植物や昆虫などの精霊とも交流できたとされる。

9歳のときに、地元に巡回してきた福音伝道師の語るイエス・キリストに感銘を受け、それ以降、生涯にわたってクリスチャンとしての信仰を貫いた。将来は牧師になることを夢見たが、家庭の経済的事情で高校を1年で中退し、その後はいくつかの仕事を転々とした。

23 歳のときに、過労がたたって声が出なくなる「失声症」になってしまった。どのような治療も効果がなかったが、24 歳のとき、たまたま知り合った催眠療法家の催眠療法を試したところ、催眠状態で自分の病気の原因を診断し、さらに治療法を述べたのである。これがのちに知られる「リーディング」である。

驚いたことに、目覚めているときのケイシーは医学などまったく知らないが、催眠状態では正確な医学用語・解剖学用語を用いて自分を診断し、治療法を指示することができたのである。

この現象に興味を持った催眠療法家が、ケイシーとペアを組んで、それ以後、さまざまな難病人の診断を試みたが、驚いたことに、当時の医学が奇病、難病とするさまざまな疾病について、ケイシーは根本的な原因を明らかにし、それらの治療法を指示することができたのである。

しかも、ケイシーの「リーディング診断」に正しく従った人々は、ことごとく治癒していったのである。

ケイシー自身は、自分のリーディング能力に戸惑っていたが、46 歳からはリーディングを取ることを自分の仕事とするようになり、速記者を雇って正確に記録に残すようになった。また、それまではリーディングはもっぱら病気の診断にのみ用いられたが、46 歳からは、あらゆる分野の質問に答えられることがわかったのである。

質問さえ適切であれば、催眠中のケイシーは、科学や工学、心理学、神学、考古学、政治学など、あらゆる分野に対して、時代を超越した情報をもたらすことができたのである。現在、米国のエドガー・ケイシー財団には1万4000件を超すリーディング記録が保管されている。

そして、この膨大なリーディング記録の中に、630件の夢分析リーディングがあるのである。

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エドガー・ケイシー財団の図書館に保管されていたケイシーのリーディングのファイル。現在はすべてのリーディングが1枚のDVDに収録されている。

 

リーディングと夢の意義

エドガー・ケイシーは深い催眠状態でリーディングを行ったが、特別の準備をしなくても、ネクタイと靴ひもをゆるめて横になるだけで簡単に催眠状態に入ったようである。

あとは催眠誘導者――たいていはケイシーの妻のガートルードか、長男のヒュー・リン・ケイシーが行った―― が適切な催眠暗示をケイシーの耳元でささやくと、ケイシーは完全なトランス状態に入ることができた。

ケイシーの横では秘書のグラディス・デイビスがリーディングの速記を行った。依頼者は同席することもできたし、遠方の場合は遠隔リーディングを行うこともできた。

一回のリーディングでトランス状態になれる時間は最大1時間くらいであった。1時間すると、リーディングが途中であっても自動的に目を覚ました。リーディングは肉体的な消耗はないが、霊的なエネルギーを相当に消耗するために、一日に2回が限度とされた。晩年、多くの依頼に応えるために、一日に多くのリーディングを行うようになったが、これが彼の寿命を縮めてしまい、67 歳で亡くなったのである。

催眠中のケイシーは、目覚めているときよりもいくらかスローな口調で語ったが、霊媒ではないので異なる人格が入るということはなく、あくまでもエドガー・ケイシーの超意識が語ったのである。

一回のリーディングでもたらされる情報は、A4判にタイプしたもので、3~6ページくらいに相当する量であった。

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ケイシーのリーディングを恒久的に保存する目的で撮影された。マイクロフィルム。

リーディングは、質問者の依頼に対してひと通り解説した後に、質疑応答の形を取った。といっても、質問文はあらかじめ作成して誘導者に渡していなければならなかった。依頼者がリーディングの途中で口を挟んでも、トランス状態のケイシーはまったく反応しなかったのである。ラポール(信頼)が生じた誘導者との間でのみ、対話がなされたのだ。

エドガー・ケイシーのリーディングは、早くから夢の意義について強調し、人人に夢をもっと大切にするように説得した。ケイシー自身、人生の重要な岐路では必ずといっていいほど、意義深い象徴的な夢を見ている。

夢に対するリーディングの最も典型的な姿勢は次のリーディングの言葉によく表されている。曰く、「人生に起きる重要な事柄で、あらかじめ夢で知らされないものはひとつもない」と。

つまり、恋愛や結婚、就職や転職、病気や事故など、人生に大きな影響を及ぼす出来事は、本来、夢であらかじめ知らされている、ということである。さらに、夢に対する感性が高まれば、人生のさまざまな事柄について、きわめて高い次元のアドバイスを得ることが可能になる。夢はまことに人生最上のコーチである。なにしろ、夢の送り主は、自分自身の超意識であり、そのアドバイスは決して自分を裏切らない。これほど頼りになるコーチを味方につける方法が夢分析なのである。

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(ムー2018年6月号特集「エドガー・ケイシーの夢解釈」より抜粋)

文=光田秀

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