世界は不思議なもので溢れている 三池崇史さんインタビュー(後編)

映画も不思議なもの

 

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――いろいろと不思議なことが起こってますね。

三池 あれは怖かった。後日、別の作品の撮影で、後日また同じ場所に行ったら、もうぬいぐるみはなかった。で、だれに聞いてもみんなわかんないっていうんです。京都にはまだそういった場所がたくさんありますよね。

 

――『ラプラスの魔女』は未来を予見する知性、ラプラスの悪魔が存在するのかがテーマになっていますが、監督はそういった力を持つ人間はいると思いますか?

三池 人間の眠っている第六感の先にあるようなもの。それってたしかに存在すると思うんですよ。そういった力もそうですが、世の中には理屈上、納得したり、数学上解けるようになったことでも、人間が理解不能な不思議なことがたくさんありますからね。

たとえばブラックホールなんて意味がわからない。それに、われわれ人間も母親の胎内で大きくなって生まれてくるってこと自体が、ある意味ホラーですよね。人は、そういうものが不思議だということを忘れがちだったり、考えないようにしてるだけなんです。たぶん、そうするべき理由があるんじゃないかな。なにか本能的な部分で、それを忘れさせている気がしますね。

 

――じつは世間は、不思議なもので溢れていると。

三池 そう。いってしまえば映画も幻覚みたいなものですからね。僕らの世代は、それを幼いときにダイレクトに感じた瞬間があるんです。ブルース・リーの映画『燃えよドラゴン』が公開されてすごく話題になった。僕も小学校6年生のころに観にいって、「すげえやつが出てきた!」って、憧れるわけです。でも、実際は日本での公開の1年前にブルース・リーは亡くなっていた。あの人、すでにいないんだ。幻なんだってことを知ったときの不思議な面白さ。その原体験があるんですよ。

 

――ある種のタイムスリップですね。

三池 たとえばこの映画の広瀬すずも、撮影当時の広瀬すずのまま、この作品の中に居つづけるわけです。そう考えると、意外に映画も不思議なものなんですよ。

 

 

 

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◆三池崇史(みいけ たかし)◆

1960年生まれ。大阪府出身。1991年に監督デビュー。Vシネマ、劇場版の双方で数多くの作品を演出。代表作に『DEAD O
R ALIVE』『ゼブラーマン』『ヤッターマン』『クローズZERO』などがある。

 

■映画情報
『ラプラスの魔女』
大ヒット上映中
配給・東宝
出演・櫻井翔、広瀬すず、福士蒼汰

 

■作品紹介
初老男性が硫化水素中毒で死亡する事件が発生。地球化学専門家・青江修介(櫻井翔)は、事件現場の調査を行うが事件性はなかった。しかし数日後、被害者男性の知人が硫化水素中毒で死亡する事件が起きる

 

 

(ムー2018年6月号より抜粋)

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