現生人類に組み込まれたエイリアンDNAの謎/X-File 2018

文=宇佐和通

進化論を覆すDNA

ついに『X−ファイル』の最新シーズン、『X−ファイル2018』のブルーレイ&DVDの日本版が、7月18日に発売される。あの、モルダーとスカリーに再び会えるのだ。スモーキングマンやローン・ガンメンはどのような形でふたりに絡むのか。登場人物の関係性が気になるのは当然だが、それに加え、今回はシーズン全体を貫く〝エイリアンDNA〟という大きなテーマに、ファンの興味が集まっている。

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現生人類の体内には、突然変異的に現れた〝外来種〟のDNAが含まれているという話がある。『X−ファイル』で取り扱うテーマにしても荒唐無稽すぎるといえるかもしれない。しかし、である。数年前ほどから発表されている、いくつかのDNA関連の論文を見てみると、まったくありえない話ではないと思えてくるのだ。

昨今、地球における生命の根源に関する新しい手がかりの発見が続いている。こうした生命の根源をめぐる新しく大きなうねりの中で、通説となっているダーウィンの進化論は、これまでになかった重大な危機にさらされているという表現もできるかもしれない。主流派科学の枠組みの中で、公2012年に公開されたリドリー・スコット監督の『プロメテウス』という映画が、大きな話題になったことも記憶に新しい。この映画のテーマはずばり〝エイリアンDNA〟だ。地球人類は遺伝子操作によって生み出された存在であり、何千年も前に地球を訪れた〝古代宇宙飛行士〟によってエイリアンのDNAを埋め込まれていたというストーリーなのである。

リドリー・スコット監督は次のように語っている。「NASAとバチカンには揺るがない共通認識がある。進化の過程で何らかの手助けがなければ、今の人間の姿になることは不可能だということだ。今回の映画では、そういうことを描きたかった。シナリオを構成するうえで、エーリッヒ・フォン・デニケン氏の〝古代宇宙飛行士説〟という考えかたを盛り込まないわけにはいかなかったのだ」

〝古代宇宙飛行士説〟。多くの古代文明の宗教的文書に、宇宙からやってきたと思われる存在についての記述がある。その代表格は、旧約聖書の「創世記」と『エノク書』である。双方に謎の巨人〝ネフィリム〟についての記述があり、ネフィリムとは、〝神の子ら〟と人間の女性が肉体関係を持った結果、生まれた種族であるとされている。この謎の巨人のネフィリムの父である〝神の子〟こそ、古代の異星人ではないだろうかといわれている。

 

生物の進化を助けたエイリアンDNA

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2015年、「Daily Mail」オンライン版3月14日号に「145種のエイリアンDNAの謎」という見出しの記事が掲載された。後になって大きな話題となる〝エイリアンDNA〟というキーワードが騒がれはじめるきっかけとなる記事だったといっていいだろう。

では、エイリアンDNAとはいったい何なのか。人間は、祖先から受け継いだものではない異質な遺伝子を持っているという。これまで「いかなる生物であれ、同じ種の祖先から脈々と受け継がれていた遺伝子のみに則って進化してきた」というのが、進化の常識とされてきた。

エイリアンDNAは、この〝常識〟を真っ向から否定する内容なのだ。

この記事では、「ゲノム・バイオロジー」誌に発表された〝遺伝子の水平移動〟という現象に関する論文を紹介・検証している。同じ環境で生きる有機体の間では、遺伝子の移動が起きることがあり、執筆グループのリーダーを務めたケンブリッジ大学のアレイスター・クリスプ教授は、次のように語っている。

「われわれの論文は、人間を含む動物の間で起きる遺伝子の水平移動がいかに広範囲であるかを示すもので、これまでに行われていなかった検証をまとめたものです。検証の結果、遺伝子の水平移動の過程で多くの外来遺伝子が生じていたことが明らかになったのです」

本当に驚くべきは、ここから先の話だ。

「さらには、こうした外来遺伝子が水平移動を通してほぼすべての地球生物の進化を助けていた可能性がきわめて高いこともわかりました。われわれの理論モデルが正しいなら、地球生物の進化そのものを考え直す必要が出てくるでしょう」

遺伝子の水平移動は、線虫を含む何種類かの生物の進化において重要な役割を果たすと考えられている。線虫は一部の微生物や植物から遺伝子を取り込むことが知られている。ただ、人間のように複雑な構造の生物にも同じことが起きるのかについては、さまざまな議論が重ねられてきた。そして、人間に関していうなら、17種類の遺伝子が水平移動によって得られたことが明らかになり、128種類にのぼる未知の遺伝子の存在が報告されているのだ。

 

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