閲覧注意! G粉入りで上手に焼けました! 「G」食時代(3)/グルメの錬金術師

文=川口友万

寄食の集いでGパン品評会

ゴキブリは漢方薬になる。シャ虫と呼ばれ、乾燥させた粉末は生理不順の特効薬であり、口内炎などの炎症にも効くそうだ。だから薬のような味がしても当然なのかもしれない。

『米とサーカス』に食べさせることにする。昆虫食を出すカフェ『米とサーカス』では、ちょうど昆虫食フェアを開催中で、グループ店のバー『あでぃくしょん』では昆虫食の写真展を準備している最中だった。

gurume_20180914-2「きゃー、これですか? 見た目は普通のパンですねえ。おいしそう」

同グループの運営会社・宮下企画のプランニングを担当している宮下慧さんにゴキブリパンを見せる。とりあえず食べてもらいましょう。

「これ? いいんですか? ……ねちゃねちゃしてますね」

 

すいません、それはわたしのミスで配合を間違えたみたいなんですよ。パン、難しい。

「うん、別に匂いもしないし、普通のパン」

後味に変な味が残りませんか?

「そうですか?」

そうですよ。

「そうかなあ」

私だけ?

「あー、わかった。ダイエット飲料を飲んだ後みたいなインチキな味でしょう?」

ですかね。

 

ちょうどそこへカメムシを浸け込んだジンを昆虫食愛好家が持ってきた。『あでぃくしょん』で出すのに作ってもらったのだそうだ。彼は家でデビュアを飼って、食べてもいるのだという。せっかくなのでゴキブリパンを食べてもらう。

どうです?

「あ、あ、たしかにデビュアの味ですね」

これがデビュアの味かあ!

「デビュアとミルワームを一緒に入れておくと、ミルワームの成虫は死ぬんですよ」

ほう?

「なにかガスを出して殺すみたいですね。その味じゃないですか?」

すごく剣呑な味ですね。

「それじゃ体に悪いみたいじゃないですか!」

な、なんですか、慧さん?

「昆虫は体にいいんですよ!」

それはあなたの店が昆虫食やってるからでしょう! 栄養あればなんでもいいのか?

「いいんですよ」

いいのか。

 

内装を手伝っていた女性が、ひとくち食べて眉をひそめた。

「龍角散の味がする」

それだ! ゴキブリパンは龍角散の味。

 

私が帰った後、『あでぃくしょん』で働く女性たちに食べさせようとしたら、「もし食べさせたら、店をやめます」と言われたと慧さんからメールが。非常に正しい反応である。

 

その後、デビュアの社長はエンジニア魂に火がついてしまったらしい。

「こんなの作りましたよ」

?? コオロギ? コオロギのフリーズドライを作ったの?

「生き餌はロスが多いので、これならロスが出ない」

なるほど。みなさん商売人ですねえ。

 

 

*ご安心ください。「G」パン編はこれで終了です(編集部)。

取材協力:宮下企画 http://miyashitakikaku.com/

文=川口友万

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