複雑化するミステリーサークルの謎/ヒストリーチャンネル「古代の宇宙人」

天空の存在へのメッセージか?

1960年代からイギリスをはじめとする世界各地の畑に出現するようになった謎の円形。90年代に急増し、世界各地に複雑な模様を持つものが多くなる。多くのミステリーサークルはいたずらだと判明するが、研究者たちは人間の技術では作れないものもあると言う。一部のミステリーサークルは政府が宇宙へ発する「返事」として作成されているのではないか、とも囁かれている。

 

【クロップサークル】

2018年も完成度が高い。そして模様も年々複雑化し、見た目も美しくなっている。それだけではない。数年前くらいからだろうか。メッセージ性も色濃く打ち出されるようになった気がしてならない。

クロップサークルに関しては、人を驚かせることが好きないたずら者が木片とロープを使って作っているという説が後を絶たない。「私が犯人です」と名乗り出た二人組もいる。“作業内容”を撮影したビデオも公開されているが、実際に出現しているものと比べると模様がいかにも拙い。それに、クロップサークル内部の小麦の茎は折れているのではなく、曲がっているのだ。まず、この事実を忘れてはならないだろう。

ドローンを使って作っているという説もあるが、この手法ではサークル生成の根本的な謎を解くことはできない。誰かが作っているとしても、ごくわずかな時間枠の中で精緻な模様を描き出すのは不可能に近いはずだ。大人数でかかったと仮定しても、いくら夜中だとはいえ、小麦畑でざわついていたら誰かが気づくだろう。

諸説が飛び交うクロップサークルの謎。この番組は、カタログ的なフォーマットでありながら詳しい解説が展開される。その解説も、ビリーバー特有の押しつけがましさはなく、決して暑苦しくはない淡々としたドキュメンタリー的な、ほどよい熱量だ。

こういうジャンルの話は、押しつけがましさと暑苦しさが一番のNGだ。不思議な現象には肯定派も徹底否定派もいる。両者の緩衝地帯を探りながら進め、事実を軸にして解説を肉付けしていくという方向性が全く受け入れられないことはないと思う。

余談になるが、クロップサークルの空撮を専門にしているイギリス人リサーチャーを知っている。毎年シーズンになると何回となく空に飛び立ち、一番フォトジェニックなアングルからクロップサークルを撮り続けている。彼が出版する写真集やカレンダーは、かなりアーティスティックだ。

とてつもなく不思議で美しい。クロップサークルの存在価値は、それだけで十分なのではないだろうか。(解説=宇佐和通)

古代の宇宙人 - ミステリー・サークル

 

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