ロシアの極秘ファイル/ヒストリーチャンネル「古代の宇宙人」

「宇宙主義」の発祥地

広大な国・ロシア。そのほとんどに人が住まず、探検すらされていない。そして人類文明の起源は宇宙にあり、宇宙へ戻る運命にあると考える、宇宙主義の発祥地でもある。しかし共産主義の台頭により、古代そして現代における地球外との接触が秘密という壁で覆い隠されてしまったと信じる人も多い。古代宇宙飛行士説論者たちは、ロシアの国家設立より先に地球外生命体は何度もこの地を訪問していたと主張する。

 

【ロシアの極秘ファイル】 解説=宇佐和通

第2次世界大戦終結後、冷戦構造の中でアメリカと宇宙開発を競ってきた旧ソ連。国名がロシアに変わった後も、脈々と続いてきた宇宙開発の過程で蓄積されてきた膨大なデータが存在することは想像に難くない。

そして、データは表向きのものだけとは限らないはずだ。アメリカは独自のUFO研究プロジェクトを推進してきた。この番組は、そのアメリカと宇宙における覇権を争ってきたソ連の宇宙開発史におけるダークな部分にスポットライトを当てていく。

鉄のカーテンに覆われた秘密だらけの国。旧ソ連という国名を聞いて、そんな言葉を思い浮かべる人は少なくないのではないだろうか。そして、秘密という言葉のニュアンスが直結するのはKGBのイメージにほかならない。KGBには、膨大なUFO目撃データが蓄積されていて、アメリカとの宇宙開発競争の過程で実行された極秘プロジェクトに関するものも多く存在すると考えるのはごく普通の思考経路なのではないか。

ロシアには、冷戦よりはるか以前の時代に生まれていた“コズミズム思想”という絶対的な背景がある。ごくざっくりいうと、地球人類の文明の源は宇宙にあり、やがて宇宙に戻るという考え方だ。この思想を土台に、1950終わりから60年代にかけ、旧ソ連時代には国策と形容していいレベルで“古代の宇宙飛行士説”がプロモートされていたのも事実だ。UFO現象に限っていうなら、そして国内向けの政策としてはアメリカよりも旧ソ連のほうが肯定的な姿勢を見せていたのかもしれない。

もちろん、ただ肯定するだけはない。巧妙な情報操作によって国民の意識をひとつの方向に誘い込んでいた意図が見え隠れしていたことも事実だ。共産主義国家にありがちな、全体主義的な思想が根付いていた旧ソ連だからこそできたことではなかったか。

角度を変えよう。番組内で、ナビゲーターのジョルジオ・ツォカロスが次のような印象的なひと言を放つシーンがある。「旧ソ連上層部が古代の宇宙飛行士説に注目し、興味を抱く以上の姿勢を見せていたことは、われわれ(宇宙の飛行士説支持派)が間違っていないことを感じさせる」

旧ソ連時代から脈々と培われてきたコズミズム思想の残り香が、今日のロシアに息づいているとしても何の不思議もない。そんなことを思わせる番組だ。

 

古代の宇宙人 - ロシアの極秘ファイル

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