フィリピンの心霊手術と悪魔祓いの実態

文=小澤佳彦

フィリピンのエクソシズム

エクソシズム(悪魔祓い)というと、1973年に公開された映画『エクソシスト』を思いだす人も多いだろう。

この映画は、悪魔に憑依された少女を救うために、神父でエクソシスト(悪魔祓い師)でもある男性が、その悪魔と戦うオカルト映画である。しかしエクソシズムは映画や小説の中の話だけではなく、今もこの地球上に生き残っているのだという。

本誌で何度も紹介している日本人初の「天の扉開き」の司祭であるスワミは、じつはこのエクソシズムにも精通していて、フィリピンでは魔法学校の教頭まで務めている。

そのスワミに、エクソシズムやブラックマジック(黒魔術)について聞いてみた。まさに現場レベルにおける不思議な話を、ここに初公開する。なお、エクソシズムの話で出てくる用語は、医学用語ではないことをあらかじめお断りしておく。

 

スワミによると、エクソシズムとはブラックマジックに対処するための手法であり、『旧約聖書』に出てくるモーセが、その理論や技法を体系化したものだという。

そして15世紀以降の大航海時代に入ると、宣教師たちがキリスト教を広めていく過程で、エクソシズムも世界中に伝えられた。東南アジアのフィリピンでは、今もそのエクソシズムの秘法が伝承されているというのだ。信仰心の篤あついフィリピン人の中には、宣教師たちの秘法であるエクソシズムを会得する人も現れたのである。

エクソシストとは、ブラックマジックで呪われた人間から、エクソシズムを使ってその呪いを解く人のことをいう。スワミ自身もフィリピンのエクソシストの先生方からその秘法を受け継いだエクソシストなのだという。

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魔法学校における心霊手術の授業。手による癒いやし=奇跡はキリスト教の伝統的な手法である。

 

ブラックマジック

では、ブラックマジックとはどのようなものなのだろうか。

スワミによれば、ブラックマジシャンが呪う相手に「嫌なモノ」を送りつける呪術であり、その「嫌なモノ」の種類によって「バランタイプ」と「クーランタイプ」の2種類に分けられるという。

「バランタイプ」のブラックマジックは、釘、針、髪の毛、ミミズや蟻ありといった小動物などの「嫌なモノ」を呪う相手に送りつける呪術である。この呪術に対してエクソシストは、秘密の呪文や聖水などを使って、体内に入りこんだその「嫌なモノ」を取り除いていくことになる。そしてその過程で物質化現象が起こるのである。

一方、「クーランタイプ」は、ブラックマジシャンが「バッドスピリッツ」という目に見えない《非物理的存在》を、呪うべき相手に送りつけて憑依させる呪術である。

この呪術に対しては、エクソシストは聖化した油、紙、ロウソクなどを使い、呪われた人から「バッドスピリッツ」を引き剥はがして、特殊な手法で紙などに封じこめ、焼き払ってしまうのである。

エクソシストは、呪われた人に送りつけられてきた「嫌なモノ」が「バランタイプ」なのか「クーランタイプ」なのか、そして身体のどこにどんなモノを送りつけてきたのかを見極めたうえで、それに合った手法で対処していくことになる。

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呪いを受けた男性のお腹からバランとなった釘を取りだす。

 

「バランタイプ」への対処法

今回はスワミから、フィリピンの魔法学校で行われていたエクソシズムの現場の貴重な写真をお借りすることができたので、それらを見ながら具体的に説明をしていこう。

まずは「バランタイプ」のエクソシズムである。「バランタイプ」のブラックマジックは、目の前に釘、針、毛、ミミズ、亀などの「嫌なモノ」を置き、それを呪うべき相手にトランスファー、つまり「物品移動」で送りこむ呪術だ。

ブラックマジシャンは、名前、顔写真、髪の毛、生年月日、住所などの個人情報によって呪うべき相手を特定する。このとき情報が多く、より正確に特定できればできるほど、ブラックマジックが成功する可能性も高くなる。ただし量は問題ではなく、髪の毛であればわずか1本でも十分なのだそうだ。

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何もなかった腹部で、バランの物質化が始まった。物質化したのは、生きた亀だった。

 

スワミはここで筆者に、次のような驚愕のメカニズムを説明しはじめた。

ブラックマジシャンがブラックマジックで使う特別な呪文を唱えると、現代科学では説明のできないことが起こるというのである。具体的に書くと、目の前にある釘やミミズなどの「嫌なモノ」が忽然と消えてしまうのである。

もちろんそれは呪うべき相手のところに飛んでいき、相手の中に入りこんだためだ。当然、送られた相手は心身に不調を感じはじめるわけだが、現代の医学では原因がわからない。

なぜならばその「嫌なモノ」は、相手の中で物質の状態ではなく、「バラン」という非物質化したエネルギーの状態で存在しているからだ。

しかも不調の内容は、送りつけられた「嫌なモノ」の種類や受けた身体の場所によって異なる。針を送られれば、送られた場所が痛く苦しくなり、頭の中にミミズ等を送られると、精神的におかしくなってしまうというのである。

逆にエクソシストは、体内の「バラン」をエクソシズムの手法によって取りだす、ということになる。すると「バラン」はその人の体内から、釘、針、毛、ミミズ、亀など、もとの姿で現れてくる。生きたまま亀が送られていれば、出現した亀も生きていて、当たり前のように歩きだすというから驚きである。

 

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(ムー2019年3月号より抜粋)

文=小澤佳彦

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