1万2500万年前の超古代遺跡 ギョベックリ・テペとグヌンパダン

文=大地 舜

古いほど高度な神殿遺跡の謎

『神々の指紋』が世界的ベストセラーになってから20年。著者のグラハム・ハンコックはその間も新たな発見を続けており、ついに超古代文明が滅亡した原因まで探りあてた。その調査は新著『神々の魔術』(KADOKAWA)として発表され、世界的な大反響を呼んでいる。これまでは主流派の学者たちによって、存在しないとされてきた「優れた先行文明」=超古代文明だが、いまではその存在を否定できなくなった。

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トルコのギョベックリ・テペ遺跡。円形の神殿遺跡が20基以上も集中している。

 

ハンコックが重視する超古代文明の遺跡のうち、とくに衝撃的なのはトルコ南東部で発掘が進む、ギョベックリ・テペ遺跡だ。

この遺跡は古代の神殿だと見られているが、建造が始まったのは1万1600年前から1万2000年前だ。地下探査の結果、全体では20基以上の巨石神殿が存在することがわかった。ギョベックリ・テペ遺跡は建造されて、数十年ごとに意図的に埋められている。そして隣に新たな神殿が建てられている。埋められた理由は謎だが、これにより炭素年代測定法による時代が正確に得られたのだ。

1万2000年前というと、現代の歴史教科書に従えば「狩猟採集民の時代で、彼らは最大150人規模の集団で移動していた」ことになっている。

これは正しいのか?

ギョベックリ・テペ遺跡には重さ5トン、高さ5.5メートルの巨石が大量に使われている。最大の石の重さは16トンもある。この当時は家畜もいなければ車輪もなかったはずだが、巨石を数百メートル離れた石切り場から運んでいる。どのように運んだか? かなりの人口を持つ社会があったのではないか。さらに問題を大きくするのはこれらの巨石に見事な彫刻がほどこされていることだ。それらの中には星座をかたどったものもある。つまり優れた石工だけでなく、熟練の技術を持つ彫刻家や天文学者がいたことになる。そして、多様な集団を率いて神殿の建造を指揮した指導者層もいたはずだ。それは神官階級だったかもしれない。そうなると技術者、聖職者、それらを養う生産者を擁する大規模な社会があったことになる。私たちの常識では「狩猟採集民は食料を捜して常に移動していた。だから職人や神官などという特殊階級を養うことができなかった」ということになっているが、どうやら間違っていたようだ。

常識破りは他にもある。ギョベックリ・テペ遺跡の場合、最古の神殿が最も大きく、現代から見ても最も美的に洗練されている。不思議なことに、石工の腕も彫刻家の腕も、時代の経過とともに衰えているのだ。

それはなぜか? ここで、天変地異で滅んだ超古代文明の存在が浮かび上がってくる。

簡単にいえば、ギョベックリ・テペを築いた集団は滅亡した超古代文明の生き残りであり、ギョベックリ・テペ遺跡の神殿作りを始めたが、何らかの理由で頓挫した、という可能性があるのだ。

 

ジャワ島の巨大ピラミッド

ハンコックが重視するもうひとつの遺跡が、インドネシアのジャワ島南西部で見つかったグヌンパダン巨石遺構だ。

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インドネシア、ジャワ島のグヌンパダン遺跡。玄武岩を積み重ねたピラミッド状構造物だった。

 

この遺構はジャワ島の古くからの聖地だが、玄武岩の自然構造物だと考えられていた。ところが地球物理学者のダニー・ナタウイデジャ博士がオールコアボーリング調査で資料を採取したところ、実際には玄武岩が水平に積まれており、人工建造物であることが判明した。さらにその玄武岩は自然には存在しない古代セメントによって接着されていたのだ。

地層の深15メートルで採集した古代セメントを米国マイアミの権威ある調査機関BEALABに送付して炭素年代を調べたところ、2万3000年前というデータが出た。

つまりグヌンパダン巨石遺構は最終氷期の最中に建造されているのだ。当時、古代セメントを使う工法が確立されていたことになる。さらに高さ95メートルのピラミッド型の巨石遺構を造るには、相当な人数と優れた技術を必要としたことだろう。

現生人類は地球上に20万年も住んでいる。そして5万年前からは洞窟壁画や首飾りなどの装飾品も残している。いわゆる「新人類」と呼ばれる私たちの仲間だ。彼らは現代人と同じ頭脳を持ち、同じように宇宙について考察し、生活にも工夫を凝らしていた。

ギョベックリ・テペ遺跡とグヌンパダン巨石遺構の発見は、私たちが知る文明の前に、忘れられている文明が存在していたことを明らかにした。超古代文明の人々を神々と呼ぶならば、〝神々の指紋″は世界中に残されているのだ。

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グラハム・ハンコックの調査はすでに、これら超古代文明が滅亡した要因にも到達している。

かつて、星を知り、地に栄えた偉大なる先行文明がいかにして滅びたのか? そして再び天からもたらされようとしている“神々の魔術”を知ったとき、現代に生きるわれわれも、その恐怖を知ることになる。

(ムー2016年7月号より抜粋)

文=大地 舜

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