付録DVD特集 古代のロボット神オシリス/ヒストリーチャンネル

文=宇佐和通

古代神話に描かれたロボット技術

一説に〝ロボット〟という言葉が初めて使われたのは1920年の戯曲『R.U.R』だ。ただ、この作品に登場するのは原形質を化学的に合成して人間に似せた生体機械で、アンドロイドあるいはバイオノイドというニュアンスが強いかもしれない。

ムー2016年11月号の付録DVDに収録されている、ヒストリーチャンネル『古代のロボット』は人気シリーズ『古代の宇宙人』のエピソードのひとつ。番組では、はるか昔の地球に、何者かがロボティクス技術を移植していた可能性を探っている。

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検証の出発点は古代エジプト神話だ。兄弟神であるオシリスとセトは、天界と地上界の覇権争いに明け暮れていた。ある日兄オシリスが弟セトに殺され、体をバラバラに切断される。その後、イシスがバラバラになった首や体、手足を〝つなげて〟復活させたという逸話がある。妹であり妻であるイシスが、オシリスの背中から体の中に手を入れて〝操作“している様子を描いた壁画も残されている。

超古代文明と先進科学の関連について研究を行っているデビッド・ウィルコックは、こうした背景情報からオシリスがロボットだった可能性を指摘する。その説には〝炎の柱〟という要素も挙げられる。オシリスが命を取り戻すのに不可欠だったこの柱の形状は、テスラコイルそっくりだ。オシリスは、原理も形状もテスラコイルに酷似した装置でリチャージをかけ、生き返ったのかもしれない。

また、古代ギリシア文明は、ロボットの存在を示す物証を残している。1901年にアンティキテラ島沖の沈没船で見つかった1000年以上前の装置だ。エイリアンから古代文明の謎まで幅広い研究で知られるデビッド・チルドレスは、「古代ギリシアの沈没船の中でこのように複雑な装置が見つかったという事実のインパクトは、ツタンカーメン王の棺にジェット機の部品が入っていたに等しい」と語る。

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ギリシアのアンティキテラ島沖で引き揚げられた機械。

アンティキテラ装置を実現するテクノロジーが育まれたのは、古代ギリシアが誇るハイテクの島、ロードス島だった。紀元前5世紀に書かれたロードス島の風土記に、「この島には、生きて動く像がたくさんある」という文章がある。古代の宇宙飛行士がロードス島にロボティクス技術をもたらした可能性を示唆するものもしれない。

チルドレスは、伝説の青銅の巨人タロスがロードス島で作られ、防衛システムとしてクレタ島に配備されたという大胆な仮説を展開する。

巨人の逸話は古代ギリシア文明に限ったものではない。ユダヤではゴーレムが有名だし、インドや中国の古文書にも同じようなキャラクターが出てくる。古代のロボットは、地球外生命体の技術力によって実現したのだろうか?

 

すべての生命は自己複製マシン!?

別角度からの考察もある。軸となるのは、原爆の父として知られるジョン・フォン・ノイマン博士だ。ノイマン博士は、早い時期から自己複製機械という概念について語っていた。文字通り自分の複製を作って無限に増殖していくマシンのことだ。

オルターナティブ・ヒストリー、あるいはオルターナティブ・アーケオロジーといった分野でも、地球人類の起源の謎はひとつのジャンルとして確立していて、太古の地球を訪れた地球外生命体が、独自の進化系統を創り出した可能性について語られている。

現在の地球科学でも、臓器の3Dプリンティングが可能だ。こうしたテクノロジーが発展すれば、神経系や脳も含めて生体ロボットを開発し、自己複製機械の性質を持たせれば、意図的に創り出した生物を進化させることも不可能ではなくなる。

今回のレポートに登場するリサーチャーたちの見解を集約すると、独自の進化を遂げた独自の系統の生物――あるいは生体ロボット――がディノサウロイドやレプティリアンと呼ばれる異人類、ヒューマノイドと呼ばれるようになったのではないかという気がしてくる。

ダーウィン進化論に基づかない生物史でいうなら、インテリジェントデザインという言葉に置き換えることもできるだろう。古代の地球で進化のディレクションを行った〝神〟が、古代の宇宙飛行士=地球外生命体だったというシナリオを否定できる絶対的な論拠はあるのか。

これからの生物学は、地球人類を新しい進化系統の傍流として位置づける視野からの考察が必要となる。

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ユダヤ教の伝承にも、動く土人形ゴーレムが登場する。ゴーレムとは胎児を意味する。

 

文=宇佐和通

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付録DVDに「古代の宇宙人」シリーズ「古代のロボット」収録

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