無気味なピエロが都市で増殖中! クラウン騒動は日本に波及!?

文=宇佐和通

ネットの騒動が現実に影響

今や日本でも秋の一大イベントとしてすっかり定着したハロウィン。ただ、今年はちょっと例年と様子が違うかもしれない。というのは、 無気味なクラウン=ピエロ姿の人物が欧米諸国各地に出没し、人々をいいしれぬ恐怖に陥れるというトレンドがかなり長期間にわたって続いているからだ。

今年の8月にはアメリカ南東部サウスカロライナ州で、クラウン姿の男たちが子どもを森の中に誘おうとしている通報が地元警察に寄せられ、コミュニティに緊張感が走った。オハイオ州の学校では、関係者の女性がクラウン姿の男に襲われたと訴え出たため、緊急休校という措置が取られた。東海岸の名門ペンシルバニア大学では、10月4日の夜にクラウン目撃情報があり、以来多くの学生による自主的な学内パトロールが続いている。

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クラウンが刃物や銃を携行している場合も少なくないことから、全米各地の警察機構も厳戒に近い警備体制を敷いているのが実情だ。

それだけではない。あまりにも多くの目撃情報が寄せられるため、FBIもクリーピー・クラウン=無気味なピエロ対策の特別タスクチームを編成し、情報収集に当たっている。

一連の事件で最も大きな被害を受けているのは、マクドナルドのマスコット、ドナルド・マクドナルドだろう。クラウンが禍々しい印象と直結するイメージが作られてしまったため、各種イベントへの出演を自粛し、チェーン店の店頭から人形が撤去されるという事態に陥っている。

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クリーピー・クラウンの目撃(出現)事例について調べてみると、かなり長期間にわたっていることがわかる。最初に大きな話題になったのは、2015年11月にカリフォルニア州南部の地方都市ワスコで起きた事件だ。きっかけは、インスタグラムにアップされた写真だった。真夜中に不気味なクラウンがたくさんの風船を手にしながら市内各所に立っているという構図だ。

その後クラウン現象はあっという間にシカゴまで広がり、こちらでは市内で有名なローズヒル墓地にたたずんでいるところが目撃された。

夏を過ぎたあたりから、クリーピー・クラウン現象は今やアメリカ国内に限ったものではなくなった。イギリスやフランスでも目撃例が相次いだ。それに拍車をかけるように、クラウン姿の二人の男性がチェーンソーやツルハシを持って一般人を追いかけ回す様子を撮影した『DMプランクス』というどっきり動画の再生回数が爆発的に増加した。

2013年にユーチューブ内で立ち上げられたこのチャンネルこそが、現象のそもそもの起点であるという見方もある。

この手の話には都市伝説的という表現が使われがちだが、これまで使われていたニュアンスとはまったく違う。SNSを通じて、かなり多くの画像が拡散、本質が愉快犯的なので、世界中でコピーキャット事例が発生しているからだ。

とはいえ、前述の通り刃物や銃がからむ事例も存在し、世界的大企業マクドナルド・コーポレーションにも実質的被害が出たことを受け、前述の通りFBIも動きだしている。

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クリーピー・クラウン現象の背景について触れておきたい。

1986年に映画化されたスティーブン・キングの『IT』という映画や、アメリカ犯罪史上に名を残すシリアルキラー、ジョン・ウェイン・ゲイシーがクラウン姿で犠牲者となった子ども達を物色していたという事実が関係しているとする解釈もある。これも含め、恐怖のイメージの系譜をSNSと意図的に組み合わせ、愉快犯的に楽しむ人たちが増えたことから、全世界的な流行が生まれたと考えるのが正しいだろう。

いい意味でも悪い意味でも流行に敏感な日本人が、今年のハロウィンに新しいトレンドを盛り込む確率は決して低くないはずだ。

今年のハロウィンは、渋谷や六本木で、クラウンの姿を見たら気を付けよう。切れ味が鋭いナイフを隠し持っているかもしれない。浮かれた夜の街で犠牲者を求めて徘徊する、どす黒い殺意を極彩色の装束で隠した奴らがまぎれていないとは断言できないのだ。

文=宇佐和通

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