科学が解明する「宇宙卵」神話/ヒストリーチャンネル

文=宇佐和通

創世神話と原始的原子

卵は、世界中の古代文明に共通するきわめてシンプルなデザインであり、誕生や再生のシンボルとして使われることが圧倒的に多い。まったく同じ種類のシンボリズムに基づく、まったく同じモチーフが古代エジプトの遺跡やイースター島、イギリスやギリシャなどヨーロッパ圏の遺跡で見つかり、卵に関するまったく同じ概念がフェニキアや古代インドの神話に記されているのだ。

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たとえばヒンドゥー教の聖典プラーナ(〝いにしえの物語〟という意味だ)にはブラマンダという言葉が出てくる。言葉を分解してみよう。ブラマは神が創ったもの、そしてアンダは卵という意味だ。つまり〝神が創った卵〟ということになる。

プラーナの本質を創世神話と解釈するなら、すべては神が創った卵から始まったのだ。こうした考え方の方向性は、あながち間違いとはいいきれない。実は、基本的に同じといっていい科学的概念も存在する。

1931年、ベルギー出身のカトリック司祭であり、宇宙物理学・天文学博者でもあったジョルジュ・ルメートルが唱えた〝プライミーバル・アトム(原始的原子)理論〟がそれだ。

ルメートルは、宇宙線の観測結果を基に、原始的な原子の爆発こそが宇宙の始まりであると唱えた。この仮説が、その後ビッグバン理論の基礎的な部分を構築していくことになる。

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20世紀に入ってから提唱された科学的概念と、古代インドの創世神話の内容がクロスオーバーしている。さらにいうなら、高度な宇宙物理学理論を〝卵〟というきわめて単純なモチーフでいい表すことができた古代人は、どうやってこうしたアイデアを得ることができたのか。それが、何者かによって意図的に伝えられた可能性を完全に排除することはできない。

例を挙げながら話を進めよう。

西アフリカに位置するマリ共和国のドゴン族、そして彼らが自分たちの祖先であるとする〝ノンモ〟という両棲類型生物の話は有名だ。ドゴン族は、生命体としての自分たちの起源がシリウスBにあることを信じて疑わない。シリウスBが発見される前に、この天体についての詳細な知識が伝承という形で残されているのも事実だ。

また、ドゴン族の壁画には、ノンモが乗ってきたという卵形の物体が描かれていることが多い。シリウスBに関する伝承の正確性を考え合わせると、壁画のモチーフだけが想像の産物とは思えない。地球にやってきた過程も含め、ドゴン族はノンモの年代記をノンモ自身から伝えられていた――そう考えざるを得ない部分がある。

表現の正しさを基準にするなら、ドゴン族はノンモからシリウスBおよびにテクノロジーに関する知識を〝植えつけられた〟といういい方が最もふさわしい。こうした意味合いで、古代宇宙飛行士説では「シーディング」=種を蒔くという言葉が使われている。

シーディングの概念は、創世神話からプライミーバル・アトム理論、さらには人体の仕組みにまで及ぶ。

脳内に設計された卵状の器官

人間の脳内の中央部に、視床という部位がある。コンピューターやスマホが手近にある人は、ちょっとネットで調べてみていただきたい。一対になったこの部位の形状、何かに似ていないだろうか。

そう。すばり、卵だ。古代文明の創世神話に共通するモチーフである卵は、人間の意識が宿る場所に一番近いところ、すなわち脳の中にもある。卵というごく簡単な図形は、宇宙の始まりと人類の起源、その歴史のみならず、人体の仕組みまで語ってしまうのだ。

森羅万象の中の生命にかかわるすべての意味を宿したモチーフということもできるだろう。人間の生命も、精子と卵子が結合することから始まる。受精卵の核分裂をビッグバンに例えるのは、乱暴すぎるだろうか?

かつて、インテリジェント・デザインという言葉が一世を風靡した時期があった。知性ある何者かの力が、生命体や宇宙の〝設計〟に及んでいるという考え方だ。その〝何者か〟というのは神なのか。あるいは地球外生命体なのか。それとも別のものなのか。シンプリシティ=簡易性が宿す無限の広がりを感じさせられる。

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「古代の宇宙人 シーズン9 #106 謎を解く鍵『宇宙卵』」は、11月29日(火)22:00~ほかからCS放送「ヒストリーチャンネル」にて放送。

文=宇佐和通

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