オカルト短歌 第5回 「夢」

講評=笹公人

ビールと本誌をお供えに。

 

<優秀作品>

「夢に出た」「俺も見たぞ」と世界から凡庸すぎる顔でごめんね     【月餅屋】

 

<佳作>

夢で見た彼は快楽殺人者今は私に微笑んでいる             【新白里】

友の逝く夢から醒める泣きながら元より居ない友だと気づく      【本条 恵】

生涯に見る夢すべて繋げたら映画になる神様の計らい        【小坂井大輔】

ほっぺたをつねってみようとベタなこと思いつくからたぶん現実    【戸田響子】

夢に出てビール欲しがる死んだ父ビールのような寝起きの尿      【柳原栄三】

 

夢といえば、江戸川乱歩の「うつし世は夢、よるの夢こそまこと」という言葉を思い出します。夢どころか、われわれが現実と思っているこの世界さえも幻影なのかもしれません。

 

月餅屋さんの歌。世界各地で2000人以上の夢の中にあらわれている謎の男「This Man」を彷彿させます。This Manのモンタージュは、こち亀の両さんのように眉毛がつながっていました。僕も眉毛が太いので、そろそろ疑惑の目を向けられるのでは……と心配しています。

 

新白里さんの歌。夢のなかに出てきた異性に親切にされると、不思議と好きになったりするものですが、逆に恋人が殺人鬼として登場したら、やっぱり見方が変わっちゃいますよね。しかし、夢占い的には吉兆らしいので、ご安心ください。

 

本条さんの歌。僕も似たような体験をしたことがあります。パラレルワールドか前世か先祖の記憶か、夢の世界は謎だらけですね。

 

小坂井さんの作品。だとしたら感動的です。なんでもありのゴッタ煮ムービー、気が遠くなるほどの上映時間でしょうね。

 

戸田さんの歌。夢の中でほっぺたをつねったことはありますが、逆に現実では、つねったことがないです。

 

柳原さんの歌。ビールを欲しがる亡父の念が作者の尿を泡立たせたのでしょうか。ぜひ仏壇にビールと本誌をお供えしてあげてください。

 

 

次回、7月号掲載のお題は「写真。 デジタルでもフィルムでも、写った何かや過去の思い出を詠んでください。 締め切りは5月7日(日)必着です

 

応募方法は下記にて。

ウェブ:「ムーPLUS」投稿フォームのカテゴリ「その他」を選び、本文冒頭に「オカルト短歌」と記載して、投稿してください。

郵送:〒141-8691 東京都大崎郵便局私書箱67号 学研「ムー」編集部 オカルト短歌 係

 

  • 投稿には、住所・氏名・年齢を明記してください。封書の場合は封筒と便箋の両方に記載してください。
  • 1回の投稿で複数首を投稿してもOKです。
  • 原稿は返却しませんので、コピーや複写を必ず取ってください。
  • ご投稿いただいた内容は「ムー」本誌の紙版、電子版のほか、「ムーPLUS」に掲載されることがあります。

 

笹師範をうらなせる名作、怪作をお待ちしております!

 

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選者 笹 公人(ささ きみひと)

「未来」選者。現代歌人協会理事。歌集『念力家族』(NHKで連続ドラマ化)、『念力図鑑』、『抒情の奇妙な冒険』、新刊『ハナモゲラ和歌の誘惑』発売中。

 

(「ムー」2017年5月号より転載)

講評=笹公人

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