オカルト短歌 第15回 「犬」

講評=笹公人

雪が積もりました。犬は喜んだのでしょうか。

 

<笹師範の「犬」作品>

むかし野に帰した犬と再会す噛まれてもなお愛しいおまえ    【笹 公人】                              『念力家族』より

 

<優秀作品>

 一夜明け村を守れず恥ぢてゐるポチの背撫でる私も裸足     【酒井景二朗】

 

<佳作>


大きくて太った犬をくださいな 黒装束の魔術師の宴       【月餅屋】

幼児語で話しかければうちの犬いたたまれないように目をそらす  【戸田響子】

ドッグフードお皿によそうおばあさん今なき姿ポチの初夢     【ひざそほ】

そのむかし噛まれた指をさすりつつガラス越し見る冬のこいぬ座  【みうらしんじ】

お座りとお手を何度も繰り返し孤独と遊ぶ百年aibo        【小林礼歩】

 

 

酒井景二朗さんの作品。
ポチは、何か巨大な敵と戦ったのでしょう。
「鬼が島」の鬼たちが桃太郎の村に復讐しに来たイメージが浮かびました。
飼い主のためなら命がけで戦う犬の一面を捉えていると思いました。
「私も裸足」ということは、作者も何かと戦ったのでしょう。
村人たちは無事だったのでしょうか?
いつの時代の話かもわかりませんし、物語性過剰な歌ですが、
なにかそそられるものがありました。

 

月餅屋さんの作品。
「燃える」の「燃」の字に、「犬」が入っているのは、なぜだか知っていますか?
これは、古代の中国で、生贄の儀式として犬が焼かれていたからだそうです。
愛犬家からしたら卒倒しそうな話ですね。
黒魔術の儀式でも犬が生贄になっているのかもしれません。
一刻も早くやめてほしいワン!!!

 

戸田響子さんの作品。
「かわいいでちゅね~」みたいな幼児語でかわいがる飼い主に対して、
愛犬が「赤ん坊じゃねえんだから、舐めんなよ」
とでも言いたげに目をそらしたという歌です。
純真無垢な犬にも、そんな瞬間はあるでしょう。

 

ひざそほさんの作品。
ポチは、亡くなったおばあさんに会いたいのでしょうね。
ポチの主人への愛情が泣かせます。
「お皿によそう」という具体的な描写がよかったです。

 

みうらしんじさんの作品。
やや出来すぎな話ですが、こいぬ座を見て、
そのことを思い出したのでしょう。

 

小林礼歩さんの作品。
aiboリニューアルしましたね。つぶらな目が二つ付いて、ますます欲しいです。
この歌のaiboは、主人が死んで取り残されてしまったのかもしれません。
わずかに残ったバッテリー電池で、初歩的な動作を繰り返しているのでしょう。
もしかしたら、主人の霊とやりとりしているのかもしれません。
aiboにまつわる怪談も、今後増えていくことでしょう。

 

 

 

 

次回の募集お題は「占い」。
星やカード、手相とシンクロする運命を知りたい?
いまどきはLINEやチャットで相談する占いも盛況ですね。
締め切りは2月28日(水)必着です

 

 

応募方法は下記ウェブから。

ウェブ:「ムーPLUS」投稿フォームのカテゴリ「その他」を選び、本文冒頭に「オカルト短歌」と記載して、投稿してください。

 

  • ●1回の投稿で複数首を投稿してもOKです。
  • ●ご投稿いただいた内容は「ムー」本誌の紙版、電子版のほか、「ムーPLUS」に 掲載されることがあります。

 

笹師範をうらなせる名作、怪作をお待ちしております!

 

sasaprof

選者 笹 公人(ささ きみひと)

「未来」選者。現代歌人協会理事。歌集『念力家族』(NHKで連続ドラマ化)、『念力図鑑』、『抒情の奇妙な冒険』、編著『王仁三郎歌集』などがある。

講評=笹公人

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